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2026年6月23日火曜日

ブラッド・ピットとタトゥー、南チロル一番の有名人はアイスマン。

今日のお題はボルツァーノ。

標高約260mで、後ろには海を見下ろす山がそびえ、夏は猛暑で冬は温暖という独特の気候の地。


ボルツァーノのことは、あまりよく知らないかも知れませんが、この地に魅せられた有名人の中にはブラッド・ピットがいます。
彼の出世作、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』は、オーストリアの登山家の自伝映画ですが、チベットで過ごした7年間のダライ・ラマとの交流などが描かれています。アルト・アディジェでは登山シーンなどの一部が撮影されました。ヒマラヤのシーンがイタリアのドロミテ・ベッルネーゼで撮影されていたなんて、当時は想像もしませんでした 。


ドロミテ


彼の腕のタトゥーを見ると、この映画が彼にどれほどの影響を与えたかがわかります。
ブラッド・ピットのタトゥーは有名ですが、理解不能なのが、アイスマンのタトゥー。


アイスマンて何でしょう。アルト・アディジェではすごく有名なミイラです。約5300万年前の男性のミイラで、通称エッツィ。



彼がタトゥーをしていたもんだから、最古のタトゥーとして注目されました。何もそんなのを自分の体に彫らなくても・・・。



アイスマンは発見された地元の博物館で展示されています。


南チロルで一番の有名人、アイスマン。博物館はサン・ジェネジオという村にあります。

サン・ジェネジオ。

この地方のゲストハウスは、素敵なおもてなしや食事を体験できます。


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記事の内容は以前の(CIR)や販売している書籍から引用しています。

動画は日本語の字幕付きでご覧ください。

この話は(CIR)2023年11月号の記事《グルメガイド/アルトアディジェ》の解説です。日本語のリチェッタと写真はP.37。

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2026年3月9日月曜日

マーレ・エ・モンティの料理、ポレンタ・エ・フンギ。

(CIR)のマーレvsモンティのリチェッタから、北イタリアの傑作料理、と呼ばるポレンタの話です。
ポレンタ。

ポレンタはメイン料理の付け合わせとして、イギリスでのじゃがいものように使われます。ポレンタと野生のきのこの組み合わせ、ポレンタ・エ・フンギは、小麦が栽培できない北イタリアでパスタの代わりになる料理です。マーレ・エ・モンティの代表のような料理。
ポレンタ・エ・フンギ

 ちなみにきのこを採って料理して食べる行為は、丘陵地や森に暮らすイタリア人にとってはもはや趣味の次元。そのきのこの代表はポルチーニ。
さらにポレンタをグリルして香ばしい焼き色をつけたり、煮たポレンタを冷まして固め、三角形や長方形に切って鉄板やグリルで焼いたりしたものは、クロスティーニだけでなく、サルシッチャのソースの付け合わせにもなります。

ポレンタのクロスティーニ。

とうもろこしの粉にチーズとバターを加えた熱々のポレンタは農民の伝統食でカロリーの源。鍋から板に空けた作り立ての熱々は、経済的で美味しいエネルギー源。クロスティーニのきつね色の焦げ目のように、ポレンタを煮る時にできる鍋底のおこげも人気。おこげを作るには、熱を均等に伝えて底におこげを作ることができる胴や鋳鉄製の鍋が最適。

 銅鍋で作るポレンタ。ポレンタは暖炉にかけた鍋でトウモロコシの粉をかき混ぜながら1時間近く煮る、全然現代的でない料理。インスタントポレンタの粉や自動撹拌機付きポレンタ鍋などが考え出されてきましたが、かき混ぜ方にも厳しく守られている伝統があり、長い木の棒で外から内側に向かってゆっくりかき混ぜるとポレンタが均一に煮上がる。力と経験が必要な料理。今どきの嫁と姑の間で作られていると思うと、ちょっと怖い。プレコットタイプの粉や電動ニーダーを使ってかき混ぜる行為は、美食家のノスタルジーを無視するものだけれど、現代人には多分必需品。

 ポレンタを作るノンナに瞳がきれいだね!と言う孫。すごくいちゃいちゃ作ってます。


冬の山の家の中は、美味しくて暖かくて元気が出る料理の香りに満ちています。

南チロルの名物、トルゲレン。北イタリアの人も陽気で熱い。

ポレンタの伝統的なリチェッタは、トレンティーノからカンパーニアまで各地にあります。基本的には北イタリアの料理ですが、南イタリア、特にナポリにも伝わった。

今どきのグルメは小腹がすいたらポレンタを作る。ジョルジョーネの夜食のポレンタ。

ポレンタの話、次回に続きます。


この話は、(CIR2023年9月号)の記事、“マーレvsモンティ”の解説です。記事の日本語訳と料理の写真はP.15。

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2026年3月7日土曜日

ポレンタは、山の食生活の象徴であり、農民の冬の伝統的な食事。

マーレvsモンティの料理。1品目の“エビ、レモン、ピスタチオのペーストのピチ”と比べると、2品目は“ゴルゴンゾーラのグアッゼットのムール貝入り”というかなり攻めた料理でした。少しずつ海から離れて行ってるようですが、3品目は、もっと山よりで、“サルシッチャときのこのラグーのポレンタ”です。
ポレンタは、山の料理を象徴する食べ物です。南の料理ではマイナーな存在。

北イタリアのポレンタは、大きなもの、という動画。

トレンティーノ・アルト・アディジェのポレンタ料理。

とうもろこしの栽培。こういう風景を見ると思い出すのが、とうもろこしは南米原産、ということ。それが北イタリアのアルプスの麓にまで伝わり、山の食生活のベースになった。

とうもろこしは1600年代末に、当時はトルコ領だった東ヨーロッパやバルカン半島から(そのためサラセンの麦と呼ばれた)、ヴァルテッリ―ナやベルガモの渓谷に伝わった。
そう言えば、そば粉はイタリア語ではサラセンの粉farina di grano saracenoと呼びます。サラセンとは、中世ヨーロッパ人のアラブ人の呼称です。
 南米からトルコ、イタリアに伝わるには、当然スペインの存在も欠かせません。スペイン人の地主たちは、高地の段々畑でも容易に栽培でき、他の作物より早く熟すとうもろこしを自らの土地で栽培し、とうもろこしの栽培は最大級に広まりました。ところが、その後劇的に減ります。食糧難の時代には重宝されましたが、アミノ酸の欠乏などによる害も知られるようになったり、じゃがいもが登場したりして、パンの代用品でもあったとうもろこしの消費量は大幅に減りました。そして現在は食通の間では、グルメな食べ物として知られています。
 とうもろこしの価値は上がったり下がったりしながら、それでもイタリアの農民の間では、冬の伝統的な食べ物として暖炉に大鍋をかけてポレンタをことこと煮る姿が受け継がれてきました。とうもろこしの粉を水で溶いて塩を加え、かき混ぜながら約1時間煮ます。おろしたペコリーノ・スタジョナート、シンプルなにんにく、オリーブオイル、トマト、ペコリーノのソース、サルシッチャ、ゆでて炒めた野菜、森のきのこのトリフォラートなどを添えて食べます。そば粉はグルテンが少ないのでパン造りには適さないのですが、高原のチーズやバターを加えてリッチにすることができる。

アグリトゥーリズモの暖炉で作るポレンタ。


ヴァッレ・ダオスタのポレンタ・コンチャ。

ヴァルテッリ―ナ(ロンバルディア)のポレンタ・タラーニャ。リチェッタはバリエーション豊か。
ポレンタ日和のポレンタ作り。ポレンタ作りはとうもろこしを粉にするところから始まる。


ポレンタの話、続きます。

スローフードの山の料理、『クチーナ・ディ・モンターニャ

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2025年11月15日土曜日

北イタリアのストリートフード

北イタリアのストリートフード、次はロンバルディアとピエモンテ。イタリアの国際都市、ミラノが州都のピエモンテと、サヴァイア家の本拠地、トリノが州都のピエモンテ、どちらもリッチな工業都市で、ちょっと考えても、これらの州のストリートフードなんて浮かんできませんねー。
トリノにはこんなストリートフードがありました。ゴーフルgòffreと言いますが、まさにワッフル。

チェゼーナ(エミリア・ロマーニャ)のゴーフル屋。

下の動画は肉祭り状態ですが、これはミラノのストリートフード祭りの風景。ミラノのストリートフードは、オフィスに持ち帰って食べれる形に進化しました。ピエモンテ牛などおいしい肉で知られるピエモンテのハンバーガーschiscètaは、ファストフードのハンバーガーより美味しいと言われてます。

パンにはさむ具として人気があったのは、ミラノの名物料理、ミートボールことモンデギリ。モンデギリをはさむschiscèta。

モンデギリは家庭の残り物で作るミートボール。これをバーガーにするとミラノの勤め人の定番の食事になります。

モンデギリ


もう少し南に下ると、リグーリアです。フォカッチャの本場で、ようやくイタリアのストリートフードらししくなってきました。

フォカッチャ・ジェノヴェーゼ。


ジェノヴァはあちこちにフォカッチャの店があって、毎日大勢のジェノヴァ人が立ち寄ってます。

美味しいフォカッチャを食べるなら、ジェノヴァに行かなきゃ。一口目で違いが分かる。


逆にもっと北に行ってアルト・アディジェ風になると、ソーセージとクラウティ入り


かなりドイツ風ですね。ドイツのソーセージは、ほんと美味しいです。ハンバーガーに出会いたくてドイツのハンブルグに行ったけど、ハンバーガーには出会えなかった。代わりに屋台のソーセージの美味しさにはまりました。

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2025年6月9日月曜日

雪遊びの後に温かい家に戻って飲むのはホットワイン。アルプスで飲んでみたいなあ。

(CIR)のピッツォッケリの記事をきっかけに、高山地帯の食生活をおさらいしましたが、次の記事は“雪遊びの後に温かい家で食べるチェーナです(汗)。都会の丘の上に住んでると、あまり体験できない状況だけど、なかなか興味深い料理が並んでいました。
まずは、ホットワインです。
はっきり言って、飲んだことないけど、どんなものか興味はある。

ヴィン・ブリュレはイタリア語ではヴィン・カルドvin caldo。
日本語のリチェッタはP.17。

冬山の飲み物の割には柑橘果実入りという、冬山で柑橘果実というのは冷静に考えるとなかなかのご馳走。
上の動画はみかん2個の皮のすりおろし、皮をむいたみかん1個の実、クローブ5個を刺したみかん1個、レモン1個の皮のすりおろし、半分に切ったレモン1個、シナモン1本、長さ3㎝に切って皮をむいて半分に切ったしょうが、砂糖150g、赤ワイン2本を弱火で熱して濾す。
(CIR)のリチェッタは仕上げにキルシュでフランベします。

冬山に暮らす人が海辺のシチリア人に嫉妬に満ちて勧めるホットワイン。

まず必用なのはフルボディーの赤ワイン。彼が選んだのは地元トレンティーノ・アルト・アディジェ(スッドチロル)のテロルデゴ。さらにレモンとオレンジの皮、ナツメグ、スターアニス、クローブ、シナモンスティック、黒こしょう、これらを鍋に入れ熱し、フランベしてアルコール分を飛ばし、濾してカップに注ぎます。
ちょっと震えながらヴィン・ブリュレをズズっとすすると温まって、思わずニコっと笑っちゃうよね。

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2025年5月21日水曜日

イタリアの家庭料理の傑作、ニョッキはパスタ・フレスカと同等の立ち位置。

ニョッキの話、今日は地方料理のニョッキです。
ニョッキの本のお薦め、スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズの『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ』

には、ニョッキは北部の山岳地方から中部、南部に至るまで、イタリア各地にある、とあります。そもそもニョッキはイタリア家庭料理の傑作で、北東イタリアではシナモン、ココア、堅くなったパン、フルーツを使い、ピエモンテでは山のチーズや栗の粉、カボチャの粉を使うのが特徴。ローマ風のセモリーノのニョッキなどもあります。
カネデルリ、別名クネーデル、ピエモンテのラバドン、ロンバルディア・ピアチェンティーノのマルファッティ、パスタで包まないパスタ、トスカーナのヌーディなど、様々な地方料理のニョッキがあります。
トレンティーノ地方のカネデルリ、パンとじゃがいもの生地。バターで作ります。

トスカーナのニューディ。ほうれん草とリコッタの団子。

南イタリア代表はソレント風ニョッキ。トマトソースとモッツァレラのソースです。


サルデーニャのマッロレッドゥスやフリウリのプラムのニョッキなど、まだまだありますが、そもそも(CIR)の記事で紹介されているニョッキは、ピエモンテとヴァッレ・ダオスタのニョッキでした。
次回はその話です。

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2025年4月3日木曜日

山の魚、アルプスのサルメリーノ、ホワイトバルサミコ酢

今日の料理は“イワナの根菜とホースラディッシュのソース添え”です。
(CIR)の記事は“アルプスのクリスマスの新しいスタイル”(P.25~)です。
つまり、アルプスの魚料理です。
イワナと訳しましたが、サルメリーノsalmerinoのことです。
山の魚、サルメリーノ。


山の釣りと言えばサルメリーノフィッシング

サルメリーノの料理

料理の中で使われていたホワイト・バルサミコ酢とは、こんなバルサミコ酢。

エミリア地方出身の料理人、ブルーノ・バルビエ―リが語るトラディツィオナーレ・ディ・モデナのバルサミコ酢。



彼の自伝的本、ブルーノ・バルビエリ/ビア・エミリアはエミリア地方の料理書としても秀逸。

各種のバルサミコ酢。材料の中に唯一記載されていないのは“伝統”です、なんてうまいこと言うねえ。

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クリスマスのドルチェに欠かせないカンディーティ。

(CIR)12月号の記事、今日のお題は“カンディートcandito”です。 形容する名詞の性・数によってカンディータ、カンディーティなどと変化します。 フルーツの場合はフルッタ・カンディータfrutta cantita。 カンディーティ入りのクリスマスのビスコッティ。 カンディ―...