今月のワイン、チェラスオロ・ダブルッツォを見る前に、
アブルッツォ料理のことをちょっとおさらい。
本ではアブルッツォのことをこう説明しています。中央アペニン山脈とアドリア海にはさまれた地方で、無数の川が海に流れ込んでいます。アブルッツォの中央アペニン山脈の一番高い山はグラン・サッソGran Sasso(標高2,914m)。お隣のモリーゼとは切っても切れない強い結びつきがありますが、隣接するラツィオとカンパーニアとも大切なお隣。
昔から、そんな地形のせいか、交通の便はあまり便利ではなく、たどり着きにくい地方でした。そんな地方で発展したのが羊の移牧。アブルッツォの33%は国立公園です。羊飼いの文化は、その料理にも色濃く残っています。
農業は、丘陵地帯のぶどうとオリーブの栽培が主体。羊の飼育は家族経営の農場による半野生状態。テーラモTeramoやキエーティChietiには短期間フランスのブルボン家が支配した時代の影響も見られます。海と畑の幸、特に豆と野菜を使った料理も多くあります。家庭料理の伝統がリストランテやオステリアの料理として受け継がれているのがこの地方の特徴。
“パロッテ・カーチョ・エ・オーヴァPallotte cac'e e ova”などが代表的。
プリーモはリッチな肉のソースをかけた手打ちパスタや貴重なラクイラのサフラン風味のもの、アブルッツォのシンボル、キタッラなど。
ポルペッティ―ネのキタッラ。
アブルッツォの料理はシンプルで、羊飼いの生活や文化に根付いたもの。
生ハムとマッシュルームのトリフォラートのピッツァ・コペルタ。具もそうですが、畑に持っていき、仕事の合間に農民が手で持って食べることができそうな農民料理です。
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(CIR)のリチェッタ(P.30)はアンチョビとトマトの具。海と大地の具です。
記事によると、この料理とワインの組み合わせのポイントとなるのはアンチョビ、ペコリーノ、トマトという、アブルッツォの大地の味。塩気と甘さの組み合わせと、カリッと焼いた表面と、しっとりした中身の組み合わせです。この香ばしさを活かすワインとして選ばれたのは、チェラスオロ・ダブルッツォ・ボッサノーバCerasuolo d'Abruzzo Bossanova。
ボッサノーバ。バイオダイナミックス農法でぶどうを栽培。ソフトプレスでモストを絞るというカンティーナ。アブルッツォの豆と野菜にぴったり合いそうなワインです。
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