今日はパルミジャーノ・レッジャーノの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。
パルミジャーノ・レッジャーノは中世に誕生したチーズなんだそうです。
13世紀頃、乳牛の飼育が盛んだったパダナ平野の修道院で、大勢の巡礼者に食糧を提供するために作りだされた大型で日持ちのするチーズ。
それがパルミジャーノ・レッジャーノの最初の姿でした。
パルミジャーノ・レッジャーノ管理組合のキャッチフレーズは、「今も8世紀前と同じ製法で造られているチーズ」。
つまり、誕生した当初から製法が変わっていない、ということですね。
最初、パルミジャーノ・レッジャーノは8㎏程度だったそうです。
それが、この地域の農業の発展を象徴するように次第に大きくなっていき、15~16世紀頃には18㎏になりました。
21世紀の現在、パルミジャーノ・レッジャーノは何㎏だと思いますか?
平均38㎏です。
パルミジャーノ・レッジャーノ, photo by Claudio Cicali
ところで、パルミジャーノ・レッジャーノは、「パルマの」という意味の“パルミジャーノ”と、「レッジョの」という意味の“レッジャーノ”がくっついてできた名前。
つまり、「パルマのとレッジョの」という意味ですよね。
パルマとレッジョ・エミーリアの生産者組合が合併したのは、1934年のことなんだそうです。
ここでふと疑問が。
合併する前から、パルミジャーノ・レッジャーノという名前だったんでしょうか?
それともその前は、別の名前だった?
パルマ公国は1612年に“パルミジャーノ”の産地を公式に定めています。
これがイタリアで最初のDOPとも呼ばれている法律です。
14世紀に書かれたボッカチオの『デカメロン』にも登場するというこのチーズ。
後年に出版された版のこの本を見てみると、“フォルマッジョ・パルミジャーノ”と書いてあります。
古い料理書でも、“パルミジャーノ”だけの名称が多いようです。
『Grande Enciclopdia Illustrata della Gastronomia』によると、「いつの間にか自然と“パルミジャーノ・レッジャーノ”と呼ばれるようになった」となっていますが、いつ頃かは書いてないですねえ。
“パルミジャーノ”だけでなく“レッジャーノ”もつけたということは、レッジョの生産力がパルマに匹敵していたからなんでしょうね。
すぐ後の1937年には、モデナ、ボローニャ、マントヴァも管理組合に加わりましたが、チーズの名前が“パルミジャーノ・レッジャーノ・モデニアーノ・なんたら”となることはなかった訳です。
“パルマとレッジョの”という意味のチーズですが、世界中でこの名をつけた別の場所で造られたチーズが出回っているのも事実。
管理組合では、“パルメザン”という名称を使われることにも異議を唱えています。
何だこれは!
パッパッパッ、パッパルミジャーノ?
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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2008年3月号
“パルミジャーノ・レッジャーノ”の記事の解説は「総合解説」'07&'08年3月号、P.27に載っています。
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2 件のコメント:
そう言うことだったんですね、毎回大変勉強になります、素材のことは知っていても、今までの生い立ちは知らなかったです
歴史とかエピソードとかいいですねぇー、そして大切だと思います。
38KGの数字を見てしまうと、冷蔵庫でカメリエーレに落とされたのは、ペコリーノ·ロマーノで良かったとつくづく思います(笑)、
そのカメリエーレ、私と折り合いが悪かったバーリ出身でした(笑)
落とされた時は息が出来なくて、気が付いていたら、倒れててコックコートが真っ黒だったんです、
パルミジャーノ·レジャーノだったら一生息が止まっていたでしょうね(笑)
25年位前、イタリア人シェフの講習会をお手伝いした時に、そのシェフが『皆さん~パルミジャーノ·レジャーノは使う度に下ろして下さいね、間違っても緑の筒のやつはダメですよ~、どんな腕が悪いシェフでも、この魔法のチーズを仕上げにたっぷりいれると、たちまち素晴らしい、美味しい料理に変身します』と力士の塩のように、たっぷり入れてました、
くるくる髭で当時の典型的なイタリア人シェフのスタイルでした、楽しそう作るその仕草で、再度ヨーロッパに行く決心がつきました、
実は楽しく料理を作るグラハム·カーさんに憧れてました。
Vittorioさん
気が付いたらって、気絶しちゃったというこですか!ひえ~。
「パルミジャーノ・レッジャーノだったら一生息が止まっていたでしょうね(笑)」って、笑ってる場合じゃないですからー。
力士の塩!
そうそう。この表現、まさにそのものだー(笑)
あとスパゲッティにかける量!
初めてイタリア人がチーズをかけるところを目撃した時は、目が点でした。
グラハム・カーとはまた懐かしい名前ですねえ。
あの人の食べ方、ほんとに美味しそうでしたよね。
私はアメリカンスタイルのキッチンに憧れたなあ。
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