2019年2月6日水曜日

ジビエ、イタリアの鹿(Cervo, Capriolo, Daino)

今日のお題はジビエ。
今月の「総合解説」は2016年9/10月号。
毎年秋になると必ず出てくる恒例の話題の一つが、ジビエです。
今年は、ジビエを売っている肉屋とシェフが一緒に始めたレストランの記事でした。
記事の中に、セルヴァッジーナとかカッチャジョーネのことをイタリア人はどう思っているのか、という面白い話がありました。

野生動物を狩ることは、肉食系のイタリア人にだって残酷と映ります。
日本人の私だって、テレビで魚が銛で突かれるシーンは目を背けます。
ジビエも売る肉屋のアルドさんは、大規模に飼育されて結局は殺される牛も、野生動物も同じだ、というスタンスです。
さらに、増えすぎて駆除される野生動物が多いのはイタリアも同じ。
人間が捨てた森で繁殖して人間の畑を荒らすようになって駆除された野生動物を十分に活用できていないと考えるイタリアのシェフも多いようで、イタリアのジビエ料理の第一人者イグレス・コレッリシェフは、ジビエを“未来の肉”、と呼んでいます。

さて、イタリアでジビエという場合、主な動物は、鹿と猪です。
イタリアの鹿にはCervo, Capriolo, Dainoといった種類があります。

日本の鹿と違うのか、なんて疑問もあって当然。
日本の鹿は分類上はニホンジカ。
イタリアの鹿(Cervoチェルヴォ)はアカシカ。
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奈良の鹿しか知らないので、愛すべき神の使いなんて考えてしまいますが、野生の暮らしは残酷で過酷です。
イタリアのチェルヴォはアルプスの貴公子とか森の王様とか呼ばれているようです。
日本の鹿より一回り大きく、長い大きな角を生やして山の斜面にすっと立つ姿は高貴で、見るからに狩りの獲物にぴったり。

Capriolo(ノロジカ)はチェルヴォより小型の鹿で、森のトモダチなんて呼ばれてます。
環境の変化に弱く、激減したこともありました。
料理書には頻繁に登場するので、全国的に入手しやすい肉なのでしょうか。
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Dainoダマジカも小型の鹿。
初めて聞いた名前です。
料理も今回のリチェッタで初めて見ました。
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日本もイタリアも、同じような野生動物が暮らして、かつては食べていたはずですが、ジビエの食文化は日本よりはイタリアのほうが広まっているようです。
イタリアではどんな料理にしてきたのでしょうか。
次回に続きます。

ジビエ料理のおすすめ本『カッチャジョーネ

イタリアの本格的ジビエ料理をイグレス・コレッリシェフを初めとする
グランシェフのリチェッタで紹介する本。


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“シェフと肉屋のジビエ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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