2022年1月25日火曜日

サルバ・クレマスコはかびだらけのチーズを裏返したり洗ったり、とにかく手間暇かけて熟成させて、厳しい冬に備えたチーズ。

  今日の料理は、  (CIR)5月号のリチェッタから、“ピッツェッテpizzette”に続いてパイ生地を使ったリチェッタその2です。
“スフォリアータsfogliata”というネーミング。
パイ生地pasta sfoglia、そのものです。
トッピングはパイ生地と相性が抜群のアスパラガスです。細いワイルド・アスパラガスはフリッタータやリゾットによく使われます。
下の動画ではパイ生地を広げてリコッタのクリームを敷き、その上にアスパラガスとゴルゴンゾーラをのせて焼いています。


(CIR)では、カブリーノに卵と牛乳、パルミジャーノを加えたクリームを敷いてアスパラガスの上にサルバ・クレマスコsalva cremascoというチーズをのせて焼きます。
基本的には誰にでもできる簡単なパイですが、唯一登場する聞き慣れない食材が、この牛乳のチーズです。
ロンバルディアの産物です。





ミラの料理の本、『クチーナ・ミラネーゼ

によると、サルバ・クレマスコはロンバルディアやミラノの農家が厳しい冬を生き延びたチーズだそうで、カビだらけになっても洗って手間暇かけてひたすら熟成させるウオッシュ・チーズ。ミラノは別名チーズの街とも呼ばれていて、ゴルゴンゾーラやタレッジョ、マスカルポーネもミラノのチーズ。
ミラノの牛乳は、粉末や冷凍のミルクなど遠方から運ばれてくるミルクを嫌い、新鮮なミルクの製品を求めるミラノ市民のための牛乳。乳製品もたっぷり作られています。
さらにミラノの人はパルミジャーノより、地元のロディジャーノを好むそうです。
下の動画はその一例。
サルバ・クレマスコのような珍しいチーズも、スフォリアータなら簡単に使いこなせそう。


サルバ・クレマスコとサラミのパニーニdelizie con Salva Cremasco e salame.
・ピッツァ生地を少量ずつ伸ばして中央にトマトソースを敷き、サラミの薄切り1枚とサルバ・クレマスコの小片とベッラ・ローディ少々をのせる。
・生地をつまんで中央で集めて閉じる。
・EVオリーブオイルに塩、こしょう、地中海のハーブを加える。
・天板に並べてオイルを塗り、おろしたベッラ・ローディーを散らす。
・190℃のオーブンで15~20分焼く。

ピッツァ生地とトマトソースを使っても、ロンバルディアのチーズだと、南のピッツァとは違うパンになるんですね。


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