2022年3月15日火曜日

EVオリーブオイルは地中海料理の大切なポイント。料理によって使い分けることも重要。まずはオイルをテイスティングして特徴を知る。

今日は『サーレ・エ・ぺぺ』6月号

から、連載記事のEVオリーブオイルの話です。
野菜料理や地中海料理、マーレ・エ・モンティな料理には欠かせないオイル。
今月のお題は、“オイルと料理の組み合わせ”についてです。
オリーブオイルのテイスティングの話は、かなり専門的です。
地中海料理には欠かせない要素なんだ、と強く感じます。
最適のオイルを選ぶのに必要なのはテイスティングしてオイルの味を知ること。

オリーブオイルのテイスティング・チュートリアル。
・グラスに少量のオリーブオイルを入れ、蓋をして香りが集中するようにして25〜27℃程度に温めます。
・まず香りをチェックします。
・次に口に含んで、苦さ・甘さ・酸味・塩味、の4点をみます。
テイスティングの前に手を洗う時は香りが強い思い石鹸は避ける。朝のコーヒーは飲まない、発酵食品のドルチェも食べない、などの配慮が必要。

オリーブオイルにはワインと同様に料理との組み合わせ、という概念があります。
オイルの役割は、料理のアロマと個性を高めるために加えるもの。
一般に、強すぎない味の料理に使うデリケートなものなので、軽くて甘く、フレッシュな料理、インサラータ・ヴェルデ、魚のボッリート、マヨネーズ、マイルドなソースなどに合うオイルが求められます。
ビスコッティやチャンベッローニなどのパスティッチェリーアにも使え、この場合は軽いフルーティーさや辛さ、ほのかな苦味も要求されます。
このような味があるのは、主張しすぎないマイルドなレッチーノLeccinoやタッジャスカTaggiascaのオイル。

レッチーノはイタリアで最も栽培されている丈夫なオリーブ、寒さにも強いが実がつく量は少ない。

タッジャスカはアーモンドの香りの甘いオリーブオイルができる品種。リグーリア内陸部でよく育つ。


中程度の組織のバランスの取れた味のオイル、または中程度のフルーティーさのソフトさで苦さと辛さのバランスが取れたオイルは、豆、グリル野菜、火を通した甲殻類、青魚、煮魚、フレッシュチーズなどに合う。
野草、肉のグリル、味の強いソースなど、組織が強い、苦さや辛さがあるような料理には、ウンブリアの、モライオロMoraiolo、トスカーナのフラントイオFrantoioなど。

モライオロはウンブリア、トスカーナ、マルケなど中部イタリアで最も普及している品種。苦さと辛さのバランスがよく、アーモンド、ヘーゼルナッツ、アーティチョークの風味がある。肉のロースト、ブルスケッタ、豆のズッパなどに合う。

フラントイオの圧搾所。

もちろんオイルにもワインのように個人的な好みは大きく影響する。
対比的な味を加えると、強く印象に残る。一般論から外れた独自の組み合わせも面白い。
野菜のクリームスープやズッパに唐辛子の代わりにプーリアのコラティーナCoratinaのような苦くてエレガントな、単一品種のオイルを加えてもよい。

コラティーナ


品種のブレンドによってバランスの取れた味のオイルになる。
地方の産物を使った伝統料理にも最適のオイルがある。
例えば、パンツァネッラには、ラツィオのイトラーナ地方の軽いトマトの風味があるオイルが最適。
旬の野菜を主役にするリグーリアのペーストには、中〜軽いフルーティーさでかすかな苦味のあるタッジャスカTaggiascaが合う。


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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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