2022年3月22日火曜日

アーティチョークのユダヤ風もモレケも率直な感想は油っこい。食材の貴重さを理解してないと、感想もこの程度の薄さ。

今日のお題は、季節柄、春の料理にでもしようかと思っていました。
3月21日の春分の日を過ぎれば、世界中で暦の上では春。
ところが今日は真冬とでも言いたい寒さ。
震えながらお花見しているような、あの寒さ。
毎年の恒例で、今年もブルブルです。
こんな春なのに冬みたいに寒い日の料理は何があるのかなあ、と思って参考にしたのが、

カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ(伊・英)』
地方料理のリチェッタを季節ごとにまとめた本です。


ジョルジョーネ/オルト・エ・クチーナ

も季節ごとの料理の本。
カルロ・カンビの本のアペリティーボの最初の一品は、アーティチョークのユダヤ風、でした。
アーティチョークは日本にいる限り食べる機会が全然ないので、ローマのゲットーで初めて食べた時は興味一杯でした。
その時の感想は、実はベネチアでモレケ(ソフトシェルクラブのフリット)を初めて食べた時とまったく一緒。
どちらも、観光客に大人気の揚げ物だけど、なにしろ初めて食べたものなので、美味しかったとかの味の判断を下す比較材料がなく、油っこいけどまあ、こんなもんだろ、後で自慢しよ、ぐらいのもでした。
でも、この料理は他では手に入らないローマのアーティチョーク(マンモレmammole)を味わうもの。ただの揚げ物と思って食べると、本質を見失います。
ローマの市場ではマンモレをここまで下処理して売っています。

逆に言うとローマのマンモレが手に入らない場所では、ローマに行って食べる日まで我慢です。
初めて食べて以来、もう当分味わえないものだったけど、周り中そういうものばかりでありがたみがわかってなかった。

アーティチョークのユダヤ風



アーティチョークにはいろんな種類があり、季節によって出回るアーティチョークが違います。食べる部分は限られていて、下ごしらえは大変。適する調理方法も違います。

アーティチョークの下処理。

ちなみにモレケはベネトの潟の脱皮したてのソフトシェルクラブ。脱皮する瞬間をずっと見張ってる。


もっと手軽な食材の冬のアペリティーボ、トスカーナのレバーのクロスティーニはどうでしょう。
リチェッタは、スローフードのイタリア地方料理書、『イタリア・イン・クチーナ』のものを訳してみます。

Crostini neri al Vin Santo/クロスティーニ・ネリのヴィン・サント風味
Gian Marco Mazzanti,Firenze

材料/4人分
鶏レバー・・250g
香味野菜(玉ねぎ・セロリ・にんじん)・・150g
唐辛子・・1本
マジョラム
塩漬けケッパー・・30g
ヴィン・サント・・リキュールグラス2杯
赤ワイン・・1カップ
ブロード・ディ・カルネ(好みで)
パーネ・トスカーノの田舎パン、EVオリーブオイル、塩

・レバーから脂身と筋を取り除いて粗く刻む。
・テラコッタの鍋で香味野菜、唐辛子、マジョラムのみじん切りを油でソッフリットにし、レバーを加えて炒める。色が変わったらワインをかけてアルコール分を飛ばし、20分煮る。必要ならブロード少々をかける。
・火を止める数分前にヴィン・サント1杯をかけて数分休ませ、塩抜きして刻んだケッパーを加えて粗く刻む(ミキサーは使わずに手で刻む)。
・パンを厚さ1㎝弱、幅5㎝(2口で食べれるサイズ)にスライスしてトーストし、片側だけヴィン・サントをかける。裏側に刻んだレバーをのせる。




クロスティーニは2口で食べるサイズとは、知らなかったなあ。


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ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ

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シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。

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