2026年8月4日火曜日

パネットーネの誕生にまつわる話は、トーニのパンとか、ミラノの起業家精神の現れとか、面白い説が色々あるが、ポイントはパン。

前回は、(CIR)12月号の“カンディート”の記事から、カンディートが欠かせないクリスマスのドルチェ、パネットーネの紹介をしましたが、パネットーネはミラノのドルチェ。

パネットーネ


その誕生の経緯には、こんな言い伝えがあります。
その一つが、ミラノを統治していたスフォルツァ家の当主、ルドビコ・イル・モーロの料理人が、クリスマスのデザートを焦がしてしまった結果、生まれたというもの。料理人のミスをフォローするためにアシスタントのトニーは、客のために取っておいたパネットーネを1個犠牲にすることを思いついた。そして短時間で作り出したのが、後にミラノのクリスマスを席巻することにドルチェ、“il pane de Toni/パーネ・デ・トーニ”。直訳すると、トーニのパン。

パネットーネの誕生に関するミラノの言い伝え。


2つめの説は、スフォルツァ家に近い貴族のウゲット・デッリ・アテラー二が、パン屋の娘のアルジーサを口説こうと、パン屋の見習いのふりをした。するとアルジーサの父親が材料が足りないと言う。鷹匠だったウゲットはためらわず愛するハヤブサを売って小麦粉、バター、卵、砂糖、カンディート、レーズンに替えた。こうしてミラノのスペチャリタが誕生した。パネットーネが生まれた街、ミラノの起業家精神を伝えている話。

スフォルツェスコ城


15世紀の人道主義者でスフォルツァ家の家庭教師だったジョルジョ・バラグッサは、ミラノのクリスマスの伝統を書き残している。イブの夜に暖炉の火の上に1本の丸太を置いて儀式を行い、最後に3個の大きな小麦粉のパンが登場する。パンの一切れはキリストの受肉と復活の記憶のために翌年まで保存する。バター、砂糖、フルーツは一切入らないが、1395年まではミラノではロスティというパン屋だけが小麦粉を使って毎日焼いていた、他の店はとうもろこしなどもっと安い粉を使い(パン・ディ・メイpan di mejのルーツと考えられている)、誰もが白パンを焼けるのは12月24日だけだった。儀式のためのパンが必要だからだ。
パンはキリストの受肉の象徴とするキリスト教の教えと、小麦が育たない北イタリアならではの伝統が、ベースにあったのですね。

伝統のパンよりもっとと親しみやすいのが、クリスマスのビスコッティ。
フォーチュン・クッキーは、イタリア語にするとbiscotti del buon auspicio。


クリスマスのビスコッティ


クリスマスツリーのビスコッティ


カンディート入りのビスコッティは普通のビスコッティよりゴージャス感が大幅アップ。
(CIR)の“幸運のビスコッティ”の日本語のリチェッタと写真は、P.31。

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この話は(CIR)2023年12月号のリチェッタ、“カンディート”の解説です。

記事の内容は以前の(CIR)や販売している書籍から引用しています。

動画は日本語の字幕付きでご覧ください。

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前回は、(CIR)12月号の“カンディート”の記事から、カンディートが欠かせないクリスマスのドルチェ、パネットーネの紹介をしましたが、パネットーネはミラノのドルチェ。 パネットーネ その誕生の経緯には、こんな言い伝えがあります。 その一つが、ミラノを統治していたスフォルツァ家の当...