2022年2月27日日曜日

硬質小麦の産地プーリアの隠れた傑作、レッチェのピッツィ。

レッチェのことを語ると、いつもバロック芸術で熱くなちゃって、料理のことすっかり忘れてました。美味しいものが多くて料理の話題も尽きない街ですが、その料理の源になっているのがイタリアの穀倉地帯、タボリエレ平野。
イタリアのヒールの部分、アドリア海とイオニア海に挟まれたサレント半島にあります。

南イタリアでは一番広い平野。
そのほぼ全域で小麦が栽培されています。
小麦は、乾燥した風が強い大地で育つ硬質小麦。
小麦粉からは、ピッツァ、フォカッチャ、パン、そしてパスタなどが生み出されました。
タボリエレ平野の料理。

農業と放牧が中心のこの地方の料理は、風味豊かで軽いのが特徴。
粉もの天国のプーリアのレッチェの名物は、ピッツィ。
オリーブオイル、玉ねぎ、トマトなどでたっぷり調味してあるのが特徴のパン。プーリアの人気ナンバーワンのストリートフードです。

レッチェのピッツィPizzi Leccesi


材料/
硬質小麦粉・・150g
00番の小麦粉・・150g
生イースト・・1/2キューブ
水、塩、砂糖・・少々

《具》
玉ねぎ・・大1個
熟したトマト・・10個
黒オリーブ(サレント地方のもの)・・一握り
唐辛子・・たっぷり

・生地をこねて冷蔵庫で半日発酵させる。
・少量ずつまとめて平にし、天板にのせて発酵させ、200℃のオーブンで20分焼く。

このおねーさんの塩対応ぶりは、プーリアの職人の店に行くと必ず体験します。
私は人気のブッラータの店で買い物した時、職人さんにずっと「ゼッタイ冷蔵庫入れるなよ、素人が」と怒られていたような気分で小さくなってたら、店を出る時は、店内にいた満員のお客さん全員が、そうそう頑張って、と私を送り出してくれました。
とにかくプーリアって面白すぎ。
ピッツィは生地に具が練り込んであるのでプーリアの美味ししいワインがよく会いました。

きのう登場したフリゼッレもサレント地方のパン。2度焼いて完全に乾かして長期保存できるようにしたパンです。
水で戻して使ったり、皿の代わりにして具をのせることもできるパンです。具の汁気もパンが吸ってくれます。
(CIR6月号P.16)のリチェッタでは、アボカドやトマトソース、生のエビ、ナスの甘酢煮などと混ぜてクリームにして型に詰めたフリゼッレにのせ、フォークで食べる3種の盛り合わせにする、という農民風料理の本質を保ったままグルメな1品にしています。
フリーゼの3種盛り



・戻したフリゼッレに、
・1つめは、ストラッチャテッラ、バジリコとEVオリーブオイルで調味したパキーノトマト。
2つめはアーティチョークのパテ、リコッタ、オイル漬けトマト、ルーコラ。
3つめはリコッタとマスカルポーネ、ミントとレモン汁のムース、スモークサーモン、ルーコラのトッピング。

これもワインが合いそう。
プーリアの普段の食事のフリゼッレ。




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ドルチ・デル・ソーレ
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