2023年10月2日月曜日

アルト・アディジェのラビオリは、放牧地を毎日歩き回る農民が摘む季節の野草が詰め物のラビオリ。地元の人が生み出した地元の食文化。

今日の料理は(CIR7月号)《ノンナの料理》から、シュルツクラブフェンschlutzkrapfenです。
アルト・アディジェのスッドチロルと呼ばれる地方の山小屋や牧草地を感じるような料理。

スッドチロル。

ズッドチロルの放牧地

この世には牛が飛び跳ねるこんな別天地があるんですね。
ただ、あまりにも大自然の真っただ中なので、厳しさも感じられます。

アルト・アディジェの草原で7人兄弟の末っ子として育ったノンナ、マリアさんのリチェッタです。現在はアルト・アディジェの中でも北の地方、ヴァッレ・イザルコValle Isarcoで家族で山小屋を経営しています。

ヴァッレ・イザルコ。

アルト・アディジェの山小屋。

この地方の山小屋料理は、イタリアの地方料理の中でも最もディープな部類に入るかも。

このあたりじゃ牛がワンちゃんみたいにお散歩してる。牛が一番身近な家畜なんですね。

子育てが終わった後に、料理を学びたいという強い情熱に駆られて地元料理を学び、料理書も書いていて、料理教室や、地元の農家の女性たちの食文化の研究会(現在会員は16,700人)
も立ち上げ、
研究会が再現した地元料理。


地元では、マリアは地元料理のレジェンドとして知られています。今月紹介する料理は、マリアが孫たちのために作る料理。
1品めは、シュルツクラブフェン。アルト・アディジェの典型的なラビオリです。マリアの母親や祖母たちは牧草地で摘んだイラクサやワイルドほうれん草など季節の野草を詰め物にしました。放牧地を毎日歩き回る農家ならではの料理です。
料理の話をする前に、スッドチロル地方をざっと見てみました。
見てるだけでちょっと涼しくなりました。
こんなところに夏行きたいなあ。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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