(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)8月号から、お題は“ガスパチョ・ナポレターノGazpacho napoletano”です(日本語のリチェッタはP.5)
大航海時代に、スペインやポルトガルほどの国力がなく、領土獲得には参加できず、逆にスペインに支配されていたカンパーニアには、結局スペイン経由でトマトがやってきました。
イタリア人は、どんな農作物でも、農民の英知を注ぎ込んでアルティジャナーレな一品に変えてしまうのが特徴。大量生産で安価な作物を追求するスペインとは、オリーブオイル、生ハムなど、バッティングする食物もありますが、面白いくらい違いも生まれます。
特に安価なスペイン産オリーブオイルが世界的に出回った時は、イタリアの生産者は、イタリアのオリーブオイルはどうあるべきか、という理想のスタイルを強い信念で生み出し、イタリア産オリーブオイルの利点を消費者たちに伝えました。
トマトに関しては、大量のトマトを投げ合うトマト祭りではなはなく、缶詰を発明してそれに最適なトマトを生み出し、世界中にナポリのトマトを広めました。
スペインとポルトガルは冷たいトマトのスープ、ガスパチョを生み出しましたが、
シチリアにはもっと冷たい究極のトマトのスープがありました。
そしてトスカーナには、思いもかけないことがきっかけて国中に広まったトマトのスープがあります。
アンダルシア風ガスパチョ。
トマトのグラニータ。
トマトを凍らせておろすという、これ以上はない冷たさ。
もう少しベーシックなレモンとバジリコのグラニータ、桃のカラメッラータ添え。
グラニータ/材料1㎏分
ミネラルウオーター・・600g
砂糖・・250g
レモン汁・・120g
バジリコ・・12g
・鍋に水と砂糖を混ぜて沸騰させ、2分煮てシロップにする。
・火から下して室温にし、冷蔵庫で完全に冷ます。
・バジリコとレモン汁を加える。レモン汁はバジリコの酸化を防ぐ。
・これをハンディミキサーで攪拌し、製氷皿に入れて1時間冷凍する。
・製氷皿を冷凍庫から出して固まった氷を粗く崩しながら混ぜ、再び1時間冷やす。できれば最低あと2回繰り返す。
・桃を鍋に入れて砂糖大さじ1ずつをかけ、バジリコと水少々を加えて蓋をして35~45分蒸し煮にする。シロップを煮詰め、冷ます。
・桃が冷めたら皮をむいてくし切りにする。
・皿に桃を盛り付けて中央に丸く削り取ったグラニータを置き、シロップをかける。
トマトの夏向きスープなら、ガスパチョよりトスカーナのパッパ・アル・ポモドーロ。
トマトと、トスカーナのパン、パーネショッコのスープ。
この料理をここまで有名にしたのはリタ・パヴォ―ネのこの曲。
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