2023年10月20日金曜日

フライパンで焼くピッツァ、ピアディーナ。

ロマーニャ地方の薄焼きパン、ピアディーナについて、今日はイタリア各地のパンを巡って本を書いたカットピッツァの巨匠、ガブリエレ・ボンチの本、『ピッツァヒ―ロ―』から、エミリア・ロマーニャ地方の章を訳してみます。

『エミリア・ロマーニャは、その傑作、モルタデッラを与えたくれたことで、称賛に値します。ローマ人の朝食には、モルタデッラ入りのピッツァ・ビアンカが欠かせないように、私もモルタデッラを多用します。それだけで食べたり、フォカッチャにはさんだり、チェーチのクリームに添えたり・・・。
エミリア・ロマーニャの料理は、強い味で、口の中が味と音で満たされます。ラザーニャ、カボチャのトルテッリ、トルテッリーニ、ラグー、パルミジャーノ、パルマの生ハム、ピアディーナ、コテキーノ、ザンポーネ・・・。これらの名物にピッタリ合うパンも色々あります。芸術的な形をしたフェッラレーゼ、クレッシェンテなど。仕事が終わって、あるいは朝食用に午前中でもパンを焼き、その中にハムの切れ端、別名チッチョリを混ぜ込んだりします。ボローニャのパン屋は、ちょっと個性的です・・・。』

チッチョリ入りクレシェンテCrescenta con i Ciccioli。

チッチョリ作り。


以外なことに、彼がエミリア・ロマーニャの章で一番強調していたのは、パンよりモルタデッラでした。ピッツァィオーロは、いつ何時でもピッツァのことを考えちゃうんですねえ。
ピアディーナについては、フライパンで焼くピッツァpizza al padellinoと表現しています。そしてモルタデッラとスクアックェローネをのせたフライパンで焼くピアディーナのリチェッタを紹介しています。

モルタデッラ・ボローニャIgp。

最後のモルタデッラをスライスする所とボローニャのお作法でモルタデッラを食べる所は必見。

モルタデッラ・ボローニャIgp。

モルタデッラのピッツァ・ビアンカ・ロマーナ。



ローマのピッツァイオーロはエミリア・ロマーニャと言えばモルタデッラがまず真っ先に思い浮かぶのでした。ローマだけじゃなく、ピッツァ・アル・パデッリーノが普及したピエモンテ(トリノ)など北イタリアでも、ピッツァの上にモッツァレッラを山盛りにのせるこのピッツァは、 大ヒットしたのでした。

ピッツァ・アル・パデッリー丿、ピッツァ・アッラ・パーラ、ピッツァ・ラウンド。
ピッツァ・アル・パデッリ―ノは、丸いピッッァをアルミの小さいフライパンに入れてオーブンで焼くピッツァ。1930年代にトリノで生まれ、ピエモンテやエミリア・ロマーニャを中心に広まった。

モルタデッラとスクアックエローネのピッツァ・アル・パデッリーノPizza al padellino mortadella e squacquerone
  材料
《生地》
0番の小麦粉・・1kg
水・・800ml
生イースト・・3gか天然酵母・・200g
塩・・20g
《トッピング》
スクアックエローネ・・200g
薄くスライスしたモルタデッラ・・400g

・この生地にオイルは必要ない。
・昔は生地を冷蔵庫で発酵させた。
・生地を1個180gにカットして軽く休ませる。
・アルミのフライパンに広げて2時間発酵させる。
・指で生地を潰してフォカッチャ状にする。
・240℃のオーブンで30分焼く。
・オーブンから出したらスクアックエローネを塗り、その上にモルタデッラをのせる。

フライパンで焼く生地は、片側がカリカリになって、トッピングを色々載せられるのが特徴。

ロマーニャ地方のスクアックエローネsquacqueroneは牛乳のマイルドで甘い味のフレッシュチーズ。リミニ、ボローニャ、フェラーラなど、ポー河の北側で製造されている。熱いピアディーナに塗るチーズとしても、多用されている。サルーミを載せるのが定番。


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ブログ『リブレリア・クレパッソ』(クレアパッソに入荷した本)
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