今日は、アルト・アディジェ(スッドチロル)の話。
参考にした本は、地方の食文化や食材を詳しく紹介する本、『il manuale del Borghigiano』です。
アルト・アディジェの名物をざっと見ても、ドイツ語風の、聞いたことない料理や食材ばかり。とりあえず、この地方は牛がとても身近な家畜、ということは昨日の動画で何となく分かりましたが・・・。
山と雲を背景に牧草をむしゃむしゃ食べるアルト・アディジェの牛ちゃん。
牛の放牧で一日が始まるアルト・アディジェの山小屋の生活。
同じ北イタリアのヴアッレ・ダオスタやフリウリの料理と並べられて、どれがアルト・アディジェの料理か問われたら、もうお手上げです。
ヴァッレ・ダオスタの放牧地。
ヴァッレ・ダオスタとトレンティーノ・アルト・アディジェを見分けるのは、個人的にほぼ無理と知りました。
ここらで北イタリアの料理をざっと見てみましょう。
これらの風景を見ると、この地方ではオリーブオイルは超貴重品で、バターが料理のベースだったことがよくわかります。ごく最近まで、この地方ではオリーブオイルはサラダの調味にたらっとかけるだけでした。ガルダ湖があるおかげで、トレンティーノはアルプス地方唯一のオリーブオイルの産地でした。
アルト・ガルダ・トレンティーノのオリーブオイル。
バターを使ったソースの代表は、セージバター。
おそらく、セージが山で一番手に入りやすい野草だったのでしょう。
一番身近な名物はスペックでしょうか。
南イタリアの地中海沿岸部の肉の保存方法が塩漬けなのに対して、北イタリアの肉の保存方法は、木を使うスモーク。その代表がスペック。
アルト・アディジェIGPのスペック
塩漬けとスモーク、両方の方法を用いているので、とても甘くて繊細な香りの、一度食べたら生ハムの概念が変わる製品です。アルト・アディジェの山の空気が作る製品。
豚肉があったということは、ラードも使われていたはず。
バターを使うか、ラードを使うかは、料理によって使い分けていました。
山にトマトが伝わるのは遅かったので、トマトソースよりアンチョビソースの方が先に広まります。
(CIR)でも取り上げている料理、アルトアディジェのラビオリ、シュルツクラブフェン(P.17)
には、バターのソースの基本、プレーンな溶かしバターをかけます。
シュルツクラブフェンSchlutzkrapfen 。
どのリチェッタもドイツ語で、全然頭に入らない。
北イタリアのプリーモ・ピアットを見ていると、シュルツクラブフェンなどラビオリが広まっていることに気が付きます。次回は、ラビオリの話。
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