著者のカルロ・クラッコは、1965年ヴィチェンツァ生まれ。
今やイタリアを代表するシェフです。
ホテル学校卒業後、グアルティエロ・マルケージやアラン・デュカスの元で才能を開花させ、エノテーカ・ピンキオッリ、マルケージのアルベレータなどでシェフを務め、2001年にミラノでリトランテ・クラッコ・ペックの総料理長となり、ミシュランでは2つ星を獲得。エスプレッソでは18.5/20、ガンベロ・ロッソでは2フォルケッテ、イギリスの『レストラン』誌では、世界のベスト・レストラン50軒に選ばれ、2011年から、ミシュランイタリアの選考メンバーとなっています。
まさに、飛ぶ鳥を落とす勢いの、イタリアのナンバー1カリスマシェフ。
この本は、出版後1か月で売上が3万部を突破し、現在もベストセラーリストの常連という話題の本。
この本、料理本の割には、タイトルが変わってます。
そのあたりからも、この人の個性が感じられますねえ。
このタイトルは、本の中で、サフランのリゾットの造り方を説明する箇所に出てくる一文です。
「まず、玉ねぎを細かいみじん切りにするところからはじめます(もしクールにしたければ、エシャロットを使ってください)。」
と言う文章なんですが、原文は、普通に辞書には載っていないfare i fighiという言葉を使っています。
こういうなんでもない一言にまで神経を細かく行きわたらせて、スタイリッシュに生きてる人のようですね。
内容は、料理のレッスンという形で、レベル1からレベル3までの難度の料理を合計60点、詳細に解説しています。
序文によると、彼はホテル学校では最初は劣等生で、調理の成績は4だったたそうです。
とろが、持ち前の努力で最後は8にまで上げています。
シェフの仕事に限界を決めない、というのが彼のモットーだったそうです。
その努力の裏で培ったテクニックや考えを、この60のリチェッタで披露しているというわけですね。
彼は、食べ物は単なるエネルギー源以上のもの、と考えています。
それを特別なものにしているのは、土地の歴史、伝統、そして人。
料理を作るとは、それらの貴重な過程の単なる最後の段階に過ぎない。
そのため、料理をするときは常に、使うこの食材はどこから来たのか、誰が作ったのか、それが生まれた土地にはどんな歴史があるのか、を考える。
そうすれば、メッセージはより強く、明確になって、料理を食べた人に感動を与えることができる。
だから、彼の本も、単なる材料と作り方を説明する本ではないのだそうです。
カルロ・クラッコのムール貝のマリナーラ。
↓
なんて手が込んるんでしょー。
お見事!
リチェッタは本にあります。
カルロ・クラッコ著『クールにしたいならエシャロットを使う』
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