2019年12月21日土曜日

イタリア料理の基礎、スーゴとソース

軽い気持ちで手にとった本、『スーゴとソース
ところが、考えれば考えるほど、わからなくなってきました。
スーゴって何?ソースって何?

“スーゴ”は、イタリア料理の基本の言葉の一つ。

スーゴ・ディ・カルネsugo di carne、

スーゴ・ディ・ポモドーロなんていう風に使われますよね。
sugo di pomodoro
sugo di pomodoro

スーゴはパスタや米の味付けに使われるもので、スーゴという概念を知らないでイタリア料理は作れません。
まず手始めに、辞書でこの言葉を調べてみると、「ソース、汁、肉汁、果汁」と出てきました。
なんだか水分が関係していることは感じますが、日本語には一言で言い表せる言葉がありません。
スーゴとソース』には、
スーゴはその殆どが煮込みによって作られる、と書かれています。
煮込みは、かつては庶民の料理の基本でした。
様々な家族の要望を満たすために米やパスタやポレンタにスーゴをかけたのです。
さらに宗教上の理由から、肉がベースのスーゴ・ディ・グラッソsugo di grassoと、油、野菜、魚がベースのスーゴ・ディ・マーグロsugo di magroが生まれました。

富裕な貴族は野鳥やジビエのスーゴをパスタやポレンタにかけました。
こうして貴族の料理が生まれました。 

フランスのソースに対するイタリアのスーゴと考えると、地方料理の集合体のイタリア料理には地方の数だけ個性的なスーゴがある、ということになります。
スーゴとソース』もイタリアの伝統的な地方料理のスーゴとソースを集めた本です。
スーゴは油、バター、パンチェッタ、ラード、ラルドなどの油脂、香味野菜、スパイスなどのソッフリットがベースなので、地方によって大きな違いがありました。
スーゴの話をするときは油脂の話も欠かせません。オリーブオイルやバターは基本中の基本。

ヴァッレ・ダオスタの代表的なスーゴはチーズから作るフォンドゥータ。
ピエモンテのバーニャ・カウダは、海から遠く離れた場所で作る魚のソース。
一方、リグーリアのペストは海洋王国として栄えたリグーリアの魚料理ではないシンボル。
ロンバルディアのシンボル、ミラノ風リゾットは、バターと骨髄というグラッソな食材をたっぷり使います。
こんな風に、どのスーゴにもそれがそこで生まれる理由がありました。

おまけの動画。
ヴァッレ・ダオスタにはヤギ飼いの学校がある。

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“フォンドゥータ・ヴァルドスターナ”の記事は「総合解説」2017年11/12月号に載っています。
クレアパッソの地方料理書リスト
スーゴとソース
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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

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