2019年12月2日月曜日

バーチ・ディ・ダーマでつかんだ成功

ピエモンテの田舎の人口600人の村で、お菓子作りが好きでパスティッチェリーアを開いた若者は、食べていけるわけがない、という周囲の心配をよそに、見事に大成功しました。
いったいどうやったのでしょうか。
答えは、ピエモンテ人やイタリア人が大好きなドルチェのオリジナル版を作った、です。
そのドルチェはバーチ・ディ・ダーマ。BACI DI DAMA。
こうして一気にピエモンテ中、イタリア中の人を対象にしてしまったんですね。


イタリア料理のうんちく満載の本、『1001スペチャリタによると


バーチ・ディ・ダーマは小さく丸めたパスタ・フロッラを平らに潰して焼き、2個ずつチョコレートとアズジャムを挟んで合わせた小さなビスコッティ。2つ合わせた姿が女性の唇のよう、というのでレディーのキス(バーチ・ディ・ダーマ)、と呼ばれるようになりました。
19世紀末に、アレサンドリア県のトルトーナのパスティッチェリーアで考え出されました。

現在でも、このドルチェは地元の小さなパスティッチェリーアで、伝統を守って、厳選した食材で作られています。
どの店も手作りでパッケージして特別な贈り物にぴったりなロマンチックな箱に入れて販売しています。
ピエモンテの人に愛されたドルチェなんですね。



ニュートンのクチーナ・レジョナーレシリーズのドルチェには、
ピエモンテのドルチェを350点集めた本があります。


この本の序文には、ピエモンテはドルチェがおいしいことで有名な地方だ、ピエモンテ人のドルチェ好きは歴史が古く、サヴォイア家と結びついている、と指摘しています。一方、イタリアの3大ドルチェのあと2つ、シチリアやナポリはブルボン朝と教会との結びつきが強い地方。
さらにピエモンテはドルチェが企業と結びついて大量生産されるようになって、独自のドルチェの文化が生まれました。
次回はこの本から、トルトーナのバーチ・ディ・ダーマのリチェッタを訳してみます。



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クレアパッソの地方料理書リスト
クチーナ・プリエーゼ
リグーリアの発酵生地
グイド・エ・グイド
トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ1
1001スペチャリタ
クチーナ・レジョナーレシリーズのドルチェ・ディ・ピエモンテ
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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...