ことお洒落に関しては、完璧なセンスで上品に着飾るイタリアの方々。
ところが料理に関しては、上品とか洗練されていることは、なぜかあまり好きじゃないんですよね。
都会的とか、人工的、機械的なことは大嫌い。
例えば、白いパスタにはわざと茶色い粉を入れ、全部同じ形に切らずに、わざと不揃いにします。
日本料理は盛り付けがきれいでしょうと自慢しても、きれいに盛り付けることにさほど価値を感じていなければ、自慢にもならないような気が・・・。
『サーレ・エ・ぺぺ』の記事、“山小屋の料理”に登場する、夏山の放牧地の料理は、そんな素朴さと自然を愛してやまないイタリアの人々の料理の嗜好がよくわかるメニューでした。
タンポポとラズベリーのサラダの材料は、レタス、タンポポ、ライ麦パン、放牧地のチーズ、ブルーベリー、タイム、蜂蜜、ラズベリービネガー、そしてオリーブオイル。
続いて放牧チーズのフォカッチャは、白玉ねぎと山小屋のミックスチーズのトッピングに、小麦粉、卵、牛乳、生クリームをかけて焼きます。
プリーモは、板状に伸ばしてたパスタを手で不揃いの形にちぎったパスタとカリフラワー、ビエトラを一緒にゆでて、ポロねぎのバター煮と山小屋のリコッタであえた一品。
メイン料理はとうもろし粉のダンプリング、かぶ、スペックのミルク煮。
材料は、かぶ、玉ねぎ、スペック、小麦粉、とうもろこし粉、パン粉、牛乳、卵、ナツメグ、バター、etc.。
トウモロコシ粉、小麦、パン粉、牛乳、卵などを混ぜたお団子と、かぶ、スペック、玉ねぎのソッフリットを牛乳と小麦粉で煮てバターで調味という、ハイジのおじいさんが作ってくれそうな優しい料理。
スペックのスモーク香も、とうもろこしの香ばしさも、かぶの甘みも、搾りたての牛乳にとろ~っと溶けて、体が暖ったまりそ~。
どうやら、自然をそのまま受け入れる、ある意味野性的な地中海式食生活は、海辺だけでなく、標高1000m以上の山の上でも、健在のよう。
そんな山の上で、素朴を愛する人たちは、どんなデザートを食べるのか。
なるほど、こうきたかあ。
そう、ここで登場したのが、じゃがいものケーキです。
しかも、チョコレート入り。
人工的な甘さに慣れた都会人の心を、ちょこっとくすぐる魅惑的な響き、チョコレート。
山の上で、チョコレート入りじゃがいものケーキを食べる人は、なんか幸せそうだな~。
おばあちゃんのじゃがいものケーキ。
詳細は一切不明。
お手伝いしましょうか?
↓
村をあげてじゃがいものケーキ作り。
立派なかまどですが、このかまどのお祭りのよう。
村の共同のかまどかな。
↓
じゃがいものケーキは薪のかまどで焼けば完璧ですね。
じゃがいものケーキは、じゃがいもをマッシュポテトにしてパンケーキの生地に加えるもの、スライスしたじゃがいもを重ねる甘くないパイタイプ、などありますが、記事で紹介しているのは、生のじゃがいもをすりおろして生地に加えてパウンド型で焼くタイプ。
チョコレートだけでなく、ヘーゼルナッツ、山のバター、スパイスも加えます。
あっ、解説書に「砂糖・・80g」が抜けいてました。
大変失礼しました!
調べてみると、イタリア人はじゃがいものケーキが好きなようで、いろんなリチェッタがありますねえ。
ドルチェではないですが、ナポリには、ハムやプローヴォラ入りの“ガットー・ディ・パターテ”があります。
↓
毎度お馴染み、スローフード出版の“リチェッテ・ディ・オステリーア・ディイタリア”の『ドルチ』から、クーネオのじゃがいものケーキのリチェッタをどうぞ。
じゃがいものケーキTorta di patate |
材料:6人分 粉質でないじゃがいも・・300g 片栗粉・・大さじ2 バニラ風味のベーキングパウダー・・1袋 卵・・4個 ブラウンシュガー・・200g あんずジャム バター・・100g シナモンスティック・・1本 クローブ・・8個 ポピーシード・・小さじ1 ノーワックスオレンジの皮・・1個分 |
・じゃがいもは皮をむき、シナモン、クローブ、オレンジの皮と一緒にゆでる。スパイスを取り除いてポテトマッシャーで潰す。 ・じゃがいものピューレに柔らかくしたバター、砂糖、片栗粉、卵黄(1個ずつ)を加える。最後に卵白とバニラ風味のベーキングパウダーを硬く泡立てて加える。 ・直径24cmの型にバターを塗って小麦粉をまぶし、生地を流し入れる。180度のオーブンで1時間焼く。 ・オーブンがら出して表面にジャムを塗り、ポピーシードで飾る。 |
イタリアって山の料理も面白いなあ・・・。
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関連誌;『サーレ・エ・ぺぺ』2011年9月号、“山小屋の料理”のリチェッタは「総合解説」2011年9月号に載っています。
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