2020年7月19日日曜日

南伊の兵士は北部人をマンジャポレンタと呼んでからかったが、彼らがポレンタを食べたことがないのはバレてた。ハリーズ・バーのポレンタ

きのう、ハリーズバーのイカのスミ煮を訳したときに、一部省略した部分があって、ずっと気になっていたので、今日はその部分を訳します。
“ポレンタ”です。
リチェッタの前に、ポレンタについて、こんなことが書かれていました。
おそらく、ハリーズ・バーは、50年前にポレンタを出した最初のリストランテだと思う。
ポレンタは、長い間、質素な食べ物とみなされ、料理の付け合わせとして用いられていた。

私の父(ハリーズ・バーの創業者のジュゼッペ・チプリアーニ)が作っていたのは、母のリチェッタのポレンタだった。
煮るのに40分もかかるポレンタは、料理人が好んで作るような料理ではなく、忍耐が必要な料理だった。
子供の頃の、ポレンタの大好きな食べ方はいくつかあった。一つは、板の台にあけたできたての湯気のたったポレンタを厚くスライスしたもの。バターをのせるとすぐに溶け、そこにパルミジャーノを散らして食べた。
冷めたポレンタは、毎朝、牛乳か熱いカフェラッテに小片を入れた。あるいは薄すぎない程度にスライスして、てオーブンで炙るか、油で揚げた。

 南イタリア出身の兵隊は、北部人を「マンジャポレンタMangiapolenta」と呼んでからかったが、彼らがポレンタを食べたことがないのは明白だった。

確かに、ポレンタは 北イタリアの山間部の食べ物です。
小麦の栽培ができない地方で、小麦の代わりに栽培されたとうもろこしから作る食べ物。
パスタがあるところには、ポレンタの文化は根付かなかったのでしょうね。
逆に北イタリアには、様々なポレンタがあって、粉の種類もバリエーションも豊かです。
ベネトには白いポレンタもあります。
ジュゼッペ・チプリアーニは黄色いほうが風味が強そうで好きだと言っていますが、マイルドな白は、主に魚料理に添えます。

それではハリーズ・バーのポレンタLa polentaです。
材料/6人分
水・・1.5L
とうもろこしの粉・・250g
塩・・小さじ1.5

・底の厚い鍋(できれば銅鍋 )で水を沸騰させ、木べらでかき混ぜながらとうもろこしの粉をゆっくり加える。
・かき混ぜながら40分煮る。
・軽い焦げた香り(この香りが大好きだった )が立つまで煮る。


おまけの動画、ポレンタ・フリッタ

・硬めのポレンタを作り、台にあけて冷ます。
・塩とローズマリーを混ぜる。
・ポレンタが冷めたら縁を切り落として長方形に切、油で揚げる。
・熱いうちに塩とローズマリーを散らす。

ベネトのポレンタ

ベネトでは、焼き立てのパンはなくても毎朝、暖炉にかけた鍋にとうもろこしの粉を入れて混ぜながらことこと煮て、朝食にした。固まる前のポレンタは“パトゥーゴリ”と呼ばれ、これを鍋からすくって子供の朝のミルクと一緒に朝食にした。
ポレンタの縁にできたおこげは、冷めたら剥がして子供のおやつにする。
そんな食べ物でした。

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ハリーズ・バー
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