2020年7月26日日曜日

ジェノバとは無関係のナポリのソース・ジェノベーゼ。まずはラグー・ナポレターノから。

今月の「総合解説」の“クチーナ・イタリアーナのリチェッタ”から、今日はパスタ・アッラ・ジェノベーゼです(P.3)。
この料理は、ナポリ料理を作っている人なら必ず出会う料理。
ジェノベーゼという名前でも、バジリコのペーストとはなんの関係もなく、それどころかジェノバではもう忘れ去られている料理という説まであります。
どの説も曖昧でぼやけていて、バリエーションが多くてよくわからい、という話ばかり。

スーゴの本なら、イタリア料理アカデミーの学術書のような貴重な本、スーゴとソース
というわけで、この本で早速サルサ・ジェノベーゼを調べてみました。
まあ、普通のことが書いてあるわけはない、とは思いましたが、いきなり出てたのが、ナポリの旗です。
サッカーチームじゃないですよ。
街の旗です。(これ)
黃・赤・緑の3色がとて印象的な旗。
中央の2色に分かれた部分は、あるものを象徴しているそうです。
ちょっと無理やりですが、ラグーなんだそうです。
著名なジャーナリストのプレッツォリーニや劇作家のデュマなど、様々な人が言ってる説なんだとか。
しかも、昔はラグーといったけど、今はジェノヴェーゼなんだそうです。

ラグー・ナポレターノは、ナポリ人の間でもリチェッタで喧嘩が起きるほどで、みんな自分のリチェッタが一番と硬く信じている料理。
複雑な材料と長い調理時間が必要です。
ラグー・ナポレターノといえば、ソフィア・ローレン主演映画の『土曜、日曜、月曜』の肉屋での喧嘩シーン。
以前ブログでラグーを取り上げたときも紹介していました。(こちら)
今月の「総合解説」のナポリ料理の記事P.11にも登場しています。
ナポリ人もこのシーンが勉強になると言ってます。


ラグー・ナポレターノ/Il ragù napoletano | O' rrau'

材料/
牛すね肉・・500g
牛バラ肉・・500g
豚もも肉・・500g
牛ランプ・・500g
玉ねぎ・・1個
赤ワイン(お勧めはアリアニコ)・・2カップ
イタリアンパセリ・・1房
にんにく・・3、4かけ
EVオリーブオイル
ラード・・大さじ1
パルミジャーノ
ペコリーノ

リガトーニ・・500g
粗塩
パルミジャーノ
ペコリーノ
こしょう

・玉ねぎを粗く刻む。
・肉が入る大鍋を用意して、オリーブオイルと大さじ1のラードを入れる。伝統的なリチェッタではラードだけを使うことが多いが、重すぎるので今はオリーブオイルがお勧め。ラードは風味のために少量加える。
・玉ねぎを加えて火にかけ、ソッフリットにする。
・インボルティーニを作る。薄切り肉にイタリアンパセリ、にんにく、パルミジャーノ、ペコリーノを散らして巻き、タコ糸で縛る。
・ソッフリットにインボルティーニを加える。他の肉も加えて全体をよく焼く。
・ワインを加えてアルコール分を飛ばす。
・たっぷりのトマトペース200~300gを少量の水で溶いて(またはトマトのパッサータ)鍋に加え、蓋をずらしてのせてとろ火で1時間煮る。
・塩を加えてさらに2~4時間煮る。
・ラグーが煮上がったらちぎったバジリコを加える。
・リガトーニをアルデンテにゆでてラグー、こしょう、パルミジャーノ、ペコリーノでマンテカーレする。

こまででもうクタクタですが、これはまだラグー。次はジェノベーゼです。


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スーゴとソース
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