2020年7月1日水曜日

スカトゥルキオのミニステリアーレにまつわるナポリ人の深層心理?リチェッタはスカトゥルキオのババ。

今日のお題はスカトゥルキオ。
ナポリのカフェやドルチェが大好きなら、このパスティッチェリーアは聖地の一つ。
店の前のサン・ドメニコ・マッジョーレ広場のテーブルに座って、ナポリ中心部の宗教と下町の雰囲気を味わいながら、コーヒーと共にババをいただくのは素晴らしい体験。
サン・ドメニコ・マッジョーレ広場


スカゥルキオ


今日の主役は、この店の名物のババでもスフォリアテッレでもなく、チョコレートのミニステリアーレministeriale。

詳細は「総合解説」2018年7/8月号P.37をご覧ください。

何度か行ったことはあるけど、このチョコレートのことは正直気にもとめていなかった。でも、この記事を読んで、ナポリ人ならではの奇妙なエピソードを知った今は、無性に食べてみたいなあ。
ミニステリアーレ↓


しかも話題の主役はチョコレートじゃなくて、その下に敷かれた丸いシート。
この写真はその問題点がよく分かる1枚。
答えを言っちゃうと印刷された文字が裏返しなんです。
深い考えがあったわけではなく、単なる印刷ミスなんだって。
しかも、験を担いでそれを直していないのだそうですよ。
記事では、これはナポリ人の深層心理、と説明しています。
大ヒットしたもんだから、直すに直せなくなっちゃったんですね。
結果的に、このチョコレートを食べた人しか気が付かない、超レアものに。
ミニステリアーレを食べるときは、シートを忘れずに見てね。

このドルチェを考案したのはスカトゥルキオ兄弟の兄のほう。
記事にはその経緯や名前の由来もありますが、彼が夢中になって、このチョコレートを捧げたのは、1920~30年代当時、一斉を風靡していたアンナ・フォージェという歌姫。
後世にも当時の華やかな活躍が伝わっています。↓

スカトゥルキオのキッチン


ババはナポリ生まれのドルチェではなく、ポーランドで生まれてフランス経由でナポリに伝わった。
ナポリのパスティチェリーアはババを各店オリジナルの秘伝のシロップに浸した。
ちなみに、スカトゥルキオのドルチェがヒットした理由は、戦争に行ってオーストリア・ハンガリー人と結婚して、ドルチェにその影響が現れたから、と伝えられている。

こちらのページから、マリオ・スカトゥルキオのババのリチェッタなるものを訳します。
ババ・ナポレターノ/babà napoletano
材料
マニトバ粉・・1kg
塩・・30g
砂糖・・200g
バター・・300g
生イースト・・50g
水・・1L
砂糖・・1L
レモンの皮・・5個分
95℃のアルコール・・300g
ストレーガ・ベネベント1/400・・2g
ラム酒1/1000・・2g
シャルトリューズ1/400・・2g

・小麦粉300g、イースト、ぬるま湯(小麦粉の50%よりやや多い量)をこねて約2時間発酵させる。
・別の容器で残りの小麦粉、砂糖、バター、塩、卵少々をこねる。よく混ぜったら最初の生地を加えてよくこねる。残りの卵(原文に卵の量は未記入)も加えてこね、粘り気がなくなったらバターを塗った型に半分まで流し入れて2時間発酵させる。
・型いっぱいに膨らんだら180℃のオーブンで約1時間焼く。
・シロップを作る。水、砂糖、レモンの皮を鍋に入れて60~65℃に熱し、冷ます。冷めたら95℃のアルコール、ストレーガ、ラム酒、シャルトリューズを加えて型から出したドルチェを浸す。


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総合解説
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ジェラートはパンとの相性も良いデセール。シチリアとナポリの人のジェラートの食べ方は、ほんとに自由。

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