2022年9月26日月曜日

バッカラ・アッラ・ビチェンティーナ。

今日の料理はベネトのシンボル的1品。きのうのトウモロコシの産地、マラノは、正確にはマラノ・ビチェンティーノといいます。その名の通り、ビチェンツァ県にあります。
ビチェンツァは世界的天才建築家、パッラーディオPalladioが手掛けた世界遺産の町。
彼の建築様式はパッラーディオ様式と呼ばれ、アメリカのホワイトハウスにも取り入れられています。
古代ローマとギリシャの神殿がベースで、左右対称のとても分かりやすい様式。
イタリアの建築に興味がなかった人でも、この町に残るパッラーディオの傑作を見ると、誰もがとりこになります。
彼の影響はベネチアやトレビーゾ、パドバなど近隣の街にも広がりました。
ベネトだけでなく、イギリス経由でアメリカなど植民地にも伝わっています。

世界遺産、「ビチェンツァ市街とベネト地方のパラディオのヴィッラ」↓

ビチェンツァが、彼に負けないくらい誇っているのがバッカラ・ビチェンティーナ

Bacalà alla Vicentinaです。

ビチェンツァのホテル・レストランのシェフの動画をどうぞ。

材料/
戻したストッカフィッソ・・800g
EVオリーブオイル・・400g
00番の小麦粉・・100g
玉ねぎ・・2個
アンチョビー・・4枚
グラナ・・100g
牛乳・・400ml、塩

・鍋に玉ねぎの薄切り、皮付きにんにく1かけ、アンチョビ、油少々、塩を入れてソッフリットにする。
・バッカラを細く切って小麦粉をまぶし、鍋に入れる。玉ねぎで覆ってグラナとイタリアンパセリを散らし、牛乳で覆う。
・オーブンシートで覆ってナイフの刃先で穴をあけ、オリーブオイルをかける。
・160℃のオーブンで25分焼き、110℃に下げて2時間焼く。
・ポレンタを作る。熱湯に塩を加え、ホイッバーで混ぜながらトウモロコシの粉を振り入れる。かき混ぜながら25~30分煮る。
・オーブンシートを取り除く。
・皿にポレンタとバッカラを盛り付けてイタリアンパセリのみじん切り少々を散らす。油をまわしかける。

ビチェンツァどころかベネトが誇るベネトで一番有名な料理です。
主役はバッカラではなく干したメルルーサの棒鱈(ストッカフィッソstoccafisso)というちょっとややこしい料理。ドイツ語系のストッカフィッソという名前はビチェンツァの人には呼びづらかったのでしょう。
正確にはragnoという、ストッカフィッソの中でも最高品質のものを使います。
定番の付け合わせはポレンタ。

かなり作りやすいお手軽版のリチェッタのようなので、ビチェンツァのバッカラ信者会の、ビチェンツァの商工会議所に登録されている公式リチェッタもどうぞ。

バッカラ(ストッカフィッソ)は見るからに立派ですが、最高品質のものを使います。
玉ねぎのソッフリットは上に乗せるのではなく、間にはさみます。

オイルで煮る調理方法は、アヒージョにも通じるところがあるかも。
この料理と対になるもう一つのベネチア名物のバッカラ料理、バッカラ・マンテカートは次回。

遅くなりましたが、(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)11月号は10/30発売予定です。
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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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