どんどん横道にそれましたが、ソアべの話でした。
生産量が減っているソアべを立て直し、ソアべのリーダーと言われている作り手は、ピエロパン。旧(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)こと「総合解説」でも、『ガンベロ・ロッソ』誌のピエロパンの記事を訳したことがありました。06/07年10月号なので、15年以上前の記事です。
当時、彼が起こした改革が、いかに世間を騒がしたかが分かるような記事でした。
2013年のビンテージのピエロパン・ソアべ・クラッシコのテイスティング↓
その記事には、ピエロパンの創業者、レオニルド・ピエロパンは医師で、趣味のワイン造りをきわめて最初のソアべをボトル詰めしたのは1920年代のこと、とあります。
祖父の名は、現在の経営者である孫に受け継がれました。
ラベルのデザインは現在と同じで、ぶどうの若枝をデザインしたものだそうです。
孫のレオ二ルドは1967年にワイン醸造学校を卒業しています。学校で学んだことをワイン造りにも取り入れ、設備やぶどうの選別方法を変え、圧搾を軽くして究極の澄んだモストにする方法を追求します。
細心の注意を払って彼が創り出した新しいソアべに、消費者は驚きます。
これほどまでに明確で澄んだ、花のような香りを持ったソアべは、誰も知らなかったのです。
ピエロパンのソアべは伝統に最大限の敬意を払って造られ、流行を追ったものではなかったのでした。
ソアーベ・カルヴァリーノの最初のビンテージは1971年。単一の畑のブドウだけを使ったピエロパンの最初のワインの一つ。白ワインのブドウ造りに重要なのは香りと酸味だが、そのためには直接太陽に当てるのではなく、適度な日影が必要になる。
そこで栽培にはベルゴラ(つる棚)式を取り入れた。ぶどうの酸度とミネラル分はピエロパンのワインの重要な要素となっている。
上質のソアべの秘密の大部分はぶどうにある、とレオニルドは語る。そのぶどうとはガルガネガだ。ガルガネガは酒石酸の割合がとても高い品種だ。酒石はとても強い酸で、これがカリウムとバランスよく結合することによって、締まった味と組織や骨格が生まれる。
もちろん、酸味はそれだけでは不快な味でしかない。ワインの品質は、固形抽出物、つまり無機塩、酒石酸、ポリフェノールが結びついて決まる。レオニルドはこれらの成分が20g/ℓ以下のものはぶどうの栽培状態が適切でないと考えている。
ピエロパンのソアーベはどれも24~25gあり、複雑な味わいを生み出している。
ソアべの改革にはピエロパンの考えに賛同した地元のぶどう栽培農家も加わった。
ソアべのテロワール↓
『ガンベロ・ロッソ』では、カルヴァリーノ・ソアーベ・クラッシコ・ピエロパン2005をこう評価しています。
「2005年の冬は気温が高く、夏、特に8月は平均より低かった。収穫期近くに雨が長く続き、ぶどうの皮がうすくなる恐れがあった。皮の厚みはモストの成分に影響する。そのため、ピエロパンでは熟したものや傷みやすいものを先に収穫した。この年はレチョートは造られていない。ワインははっきりした薄緑色を帯びた麦わら色。花の香り、シナノキや香草の香り、最後に洋梨のようなフルーティーな香りも感じられる。2007年の時点ではまだとても若い。後味にシトロンの風味。長く持続する味」
正直言って、何言ってるのかわかりません。
生産者の意図をくみ取る消費者、どちらもレベル高いですねー。
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