ポレンタは代表的な山の食文化の食べ物。
材料は、トウモロコシの粉、バター、チーズ、塩、こしょう。そして不可欠なのが、シェフの忍耐力。
さらに言うと、ポレンタとチーズの組み合わせは、山の大切な美食文化。
この場合のチーズはフォンティーナfontinaだ。
イタリアの代表的な穀物は小麦、というイメージがある。北イタリアの気候に合ったのが軟質小麦ととうもろこしだった。南イタリアではパスタの原料の硬質小麦は育つが、トウモロコシのポレンタはパスタほどは普及していない。
イタリアのチーズと言えば、パルミジャーノ・レッジャーノ、カンパーニアのモッツァレラ・ディ・ブファラ。フォンティーナはアオスタ地方南部で15世紀末から造られているチーズ。製造地区はバッレ・ダオスタ。地元品種の牛のミルクのセミコットチーズで、天然の洞穴で2~5か月熟成させる。生地はソフトで弾力があり、甘くてマイルドな味。熟成が進むと風味が強くなる。
フォンティーナ↓
上質のポレンタの粉として知られているのはヴィチェンツァのマラノMaranoやストーロstoro。北イタリアにポレンタを広めたのは、これらの地方にとうもろこし栽培を広めた農家だった。
マラノのとうもろこしの収穫祭↓
なぜここに唐突にフェラーリの名が出てくるのか、スーパーカーのことは全然知らないのでピンとこなかったのですが、フェラーリの本拠地は、モデナのマラネッロというところにあるんだそうで、イタリアの車好きの聖地なんだそうです。
マラノはマラネッロに似ているので便乗しちゃったみたい。
マラノのとうもろこしは地元の農家が地元の品種と乾いた砂利がちな土壌でも育つ品種を交配させて作り出したとうもろこし。
ストーロはトレンティーノのストーロ平野で栽培されている品種でマラノより黄色でデリケートな味、両者はライバル同士。
ストーロのトウモロコシの収穫祭↓
とうもろこしは南米からイタリアに伝わって、独自の進化を遂げたみたいです。
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