2022年8月17日水曜日

プロポローネ・デル・モナコの産地は、働き者で器用で地元を強烈に愛するカンパーニアの貧しい農民、イタリア料理を世界中に広めたイタリア移民たちのふるさと。

今日はズッキーニのスカペーチェつながりで、ナポリのズッキーニのパスタの話です。
スカペーチェscapeceというのはスペイン系の野菜を保存しながら美味しくする技術。
ズッキーニのスカペーチェはイタリア料理の代表的なコントルノです。


ナポリにはズッキーニのパスタにも、有名なリチェッタがあります。
ネラノ風ズッキーニのパスタSpaghetti alla Neranoです↓




この料理のポイントは、プロポローネ・デル・モナコを使っていること。
プロポローネはモッツァレラと同じパスタ・フィラータのチーズを熟成させたもの。
モナコとは言ってもフランスのモナコではなく、発祥地はナポリ郊外のソレント半島にある海辺の村、ネラノ。この地区の酪農家が、修道士(モナコ)のようなマントを着て寒い早朝に港を出てナポリまで出稼ぎに行って売っていた、ナポリを代表するチーズがプロポローネ・デル・モナコでした。


プロポローネ・デル・モナコの産地、アジェロラの貧しい農民は、移民となって世界中に散ってナポリ料理を広めた人たち。働き者で器用で地元愛が強烈な彼らの中にはチーズメーカーになって世界的な成功を収めた人もいます。
下の動画は、アジェロラの、ある意味夢のような世界を見せてくれます。プロポローネ・デル・モナコは10%だけ地元品種の牛乳を使っているので風味が特別だと語っています。ナポリやカンパーニアの人たちのプライドが詰まったチーズです。



イタリアには、ほかにも野菜を美味しく保存するリチェッタがあります。
ベネチアのイン・サオールin saorです。漁師や船乗りの料理でした。
今ではベネチアを象徴する料理です。
ベースは玉ねぎ、ビネガー、レーズン。

キオッジャのリストランテ・ダルセナ・ル・サリーヌ(webページ)のシェフが作るイワシのインサオール。
材料/4人分
イワシ・・500g
玉ねぎ・・500g
ビネガー・・1カップ
レーズン・・100g
松の実・・30g
塩、こしょう、オリーブオイル

・イワシから頭と内臓を取り、小麦粉をまぶして揚げる。
a.玉ねぎの薄切りを油、ビネガー、塩、こしょうで火を通しすぎないように炒め煮にし、レーズンと松の実を加える。
・オーブン皿にaを敷いてイワシをのせる。これを材料がなくなるまで重ねて24時間マリネする。

イン・サオールのバリエーション。ニシンのイン・サオール。



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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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