2022年8月8日月曜日

白い食べ物ビアンコマンジャーレには、シチリア系、フランス系、スペイン系など様々なタイプが生まれた。

今日のお題はビアンコマンジャーレbiancomangiareです。
イタリア語より、フランス語のブラン・マンジェblanc mangerのほうがメジャー。
イタリア料理の場合も、シチリアのドルチェとしてよりサルデーニャのドルチェとしてのほうが有名かも。

プラネタのシチリア料理の本

シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ
には、プラネタ家に伝わる修道院のリチェッタと、とても洗練されて美しい料理の写真が
載っています。

このセンスの良さは一流の国際的ワインメーカーならでは。
ベネディクト会の修道女が作ったと伝えられているようですが、そのルーツは謎で、はっきりしたことは分かっていません。
フランスのブランマンジェはシチリアではアーモンドミルクがベースのブディーノとして伝わったそうです。
このドルチェは“白い”ことがポイント。
白は清貧の象徴。
ピエモンテのパンナコッタも、生クリームの代わりにアーモンドミルクを使ったシチリアのビアンコマンジャーレも清くて純粋な食べ物。

シチリアのビアンコマンジャーレ

濃度をもっとゆるくしてアンティックなグラスに注ぐとプラネタ風。
フランスのブラン・マンジェはスターチではなくゼラチンでつなぎます。

サルデーニャのビアンコマンジャーレはスペインのカタロニア系。
クリームのとろみはスターチでつけ、生地で覆うのが特徴。

ピエモンテ風はパンナコッタ。


ピエモンテ系、クリームをスターチで固めるシチリア系、ゼラチンで固めるフランス系、生地で包んでタルト風にするスペイン系と、白い食べ物には様々な流派ができました。その基本は清楚で純粋な修道院の教え。

(CIR10月号)は8/10発売予定です。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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