2022年8月20日土曜日

イカ墨はリゾットにするための最高の食材。パスタとリゾットでは、使い方も違う。

今日の料理は小イカのリゾットです。
リチェッタは(CIR)10月号、P.7。ちなみに、イカ墨のリゾットは、夏の料理だそうです。
普通イカのリゾットというとイカ墨のリゾットのことで真っ黒ですが、このリゾット、白いです。
イカ墨のリゾットrisotto al nero di seppia。

・上の動画はリゾットの作り方の基本も抑えています。
・フライパンにEVオリーブオイルを入れて中~強火にかけ、刻んだイカを加えてさっとソッフリットにする。
・にんにく1かけのみじん切り、塩、こしょう、唐辛子少々を加える。火を止めてイタリアンパセリのみじん切りを散らす。イタリアンパセリは熱すると苦みが出るのでソッフリットにはしない。
・狭くて深さのある鍋でリゾットを作る。
・油や水分を加えずに米を炒める(tostatura a secco)。EVオリーブオイル少々、バター少々、エシャロット章1個のみじん切りを加えて炒める(seconda tostatura)。
・米に焼き色がついたら野菜か魚のブロードをかけ、常にかき混ぜて米のデンプンを溶かしながら強火で煮て(夏は18分)水気を飛ばす。
・2杯目のブロードをかけてかき混ぜながら煮る。
・イカ墨は、墨袋1個でリゾット3、4人前。
・リゾットに炒めたイカを加える。焼き汁をブロード少々でデグラッサーレしてリゾットに加える。
・火を止めて墨袋を破かないで加え、抑えながら混ぜる。リゾットの水分が多すぎる時は火をつけてかき混ぜながら水気を飛ばす。混ぜれば混ぜるほどイカ墨に艶が出る。
・火を止め、冷えたバターの小片を加えて仕上げのマンテカーレをする。
・皿にリゾットを盛り付けて広げ、イタリアンパセリのみじん切りを散らす。

(CIR)のリチェッタでは、リゾットが煮上がる2分前に水で溶いた米粉を加えます。イカ墨が入らない分、こうしてでんぷんを補強するのですね。墨がない小イカもこれならリゾットにできます。
逆に言うと、イカ墨にはリゾットをつなぐデンプンの役割があったのでした。

イカ墨が入らないイカのリゾットはリゾット・ビアンコrisotto bianco。
イカのリングイーネを作り、残ったイカでリゾット・ビアンコ↓を作るようです。

・にんにくを潰してバターでソッフリットにし、米を加えて炒める。白ワインをかけてアルコール分を飛ばす。
・イカ、イタリアンパセリ、こしょうを加え、ブロードで米を覆う。リゾットをかけながら15~18分煮る。
・火から下して1分休ませる。
・バターの小片を加えてマンテカーレし、イタリアンパセリのみじん切りを加える。

イカ墨を加えないリゾット・ビアンコより圧倒的にリゾット・ネロのほうが美味しそう。
イカ墨ってすごかったんだ。

イカ墨はコウイカ(seppiaコウイカ)の墨ですが、(CIR)のリチェッタでは、カラマレッティ・スピッロcalamaretti spilloという小型のイカを使っています。
イタリア料理のイカというと、スミを使うセッピアseppiaコウイカか、イカリングにするカラマーロcalamaroヤリイカですが、カラマレッティ・スピッロはcalamaretti spilloはミニサイズのヤリイカのこと。
各サイズのカラマーロ。

イカ墨のスパゲッティとリゾットでは、イカ墨の存在がかなり違う。パスタの場合はイカ墨はソースの一種。リゾットの場合はフォンド。別名ブロードが重要。ブロードは米に吸いこませいて米と一体になる。
下の動画はミラノのシェフのスパゲッティとリゾット。


この動画の解説に、ピーノ・クッタイアシェフの歴史的なエピソード、と書いてありました。やっぱり気になるので次回はシェフの話。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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