2022年8月29日月曜日

ドラゴンを倒してお姫様を救った聖人は羊飼いや牛乳配達人、あるいはミラノの守護聖人としてミラノ人に愛され、聖人ゆかりの古いドルチェ、パン・ディ・メイ―ノも消滅を免れている。

今日もロンバルディアのドルチェの話です。
(CIR10月号P.29)のパン・メイ―ノPan meino、ミラノのドルチェです。共通語だとpan al miglioとなります。miglioとは“粟あわ”のこと。ミラノ料理のお勧め本、『クチーナ・ミラネーゼ

には、市場で手に入れやすいとうもろこし粉で代用したリチェッタが載っていますが、21世紀のミラノで、アワの粉のドルチェなんて作る人がいるとは思えません。おそらく、消えつつあるドルチェだと思います。(CIR)のクラッコシェフのリチェッタもトウモロコシの粉で作ります。

朝食にミルクやクリームと一緒に食べるドルチェで、夜はパッシートワインに添えます。
このドルチェのキーワードはサン・ジョルジョという聖人。
彼は竜殺しの騎士として知られていて、竜を倒しててお姫様を救うとか、その伝説は、とにかくカッコいい。
彼は世界中で信仰されている聖人で、ミラノの、あるいは牛や羊飼いの、さらには牛乳配達人の守護聖人として信仰されています。街によって違いますが一般的に4月23日が聖ジョルジョの日です。
牛や羊が移牧に出発する日もこの日に設定されます。
この伝統を守って、この日にはミラノの老舗パスティッチェリーアではこのドルチェを作ります。ちょっと古いこのドルチェが消えないのは、ひとえにミラノ人に愛されている証明なのですね。

聖ジョルジョの伝説↓



カンパーニアの町の聖ジョルジョの日。子供たちのヘアスタイルが大人びてる~。




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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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