2024年8月31日土曜日

北イタリアでもっとも地中海な地方、リグーリアのオリーブオイル

リグーリアのフォカッチャの話から、今日はリグーリアのオリーブオイルの話。
以前『サーレ・エ・ペペ』ではエキストラ・バージン・オイルの連載記事が載っていました。いつか訳そうと思っていたので、今日は、その記事から2021年6月号のリグーリアのオイルの記事をどうぞ。
「海とアルピ・リグリ(リグーリア・アルプス)に挟まれた狭いリグーリアの土地は、荒々しくて険しく、入り組んでいます。その光景を和らげているのは、石壁に支えられた段々畑で栽培されているぶどうとオリーブの樹、そして沿岸の村々です。
リグーリアは北イタリアの中で最も地中海な地方で、国境の地で、船乗りと農民の地です。
この地にローマ以前や中世にオリーブ栽培を広めたのは、タッジャのベネディクト会です。
この地方には10世紀ごろプロヴァンスやカッシーノからやってきた修道士が、ジュッジョリーナというオリーブの栽培を広めました。黒ずんだ小粒で美味しいこのオリーブは、後にタッジャスカと呼ばれるようになります。
現在では、リグーリアを代表する品種となり、リヴィエラ・リグレDOPというオリーブオイルになっています」

タッジャスカオリーブのオイル
今でも昔ながらの方法で作られているタッジャスカのオイルはデリケートで繊細で上品。アーモンドやりんごの風味があり、軽い辛味で、地元の魚料理やペースト・リグレにはよく合います。

Dopリヴィエラ・リグレ

このDop地区は3つに分かれます。フランスとの国境地帯、リヴィエラ・デイ・フィオーリの街、サンレモ。

タッジャ、オリーブ農家と圧搾所の中心地。


サヴォ―ナのリヴィエラ・デル・ポネンテでは、珍しいコロンバイアという品種のオリーブが限られた地域で栽培されています。
ジェノヴァとラ・スペツィアのリヴィエラ・ディ・レヴァンテでは、タッジャスカの親戚でラヴアーニャという珍しい土着品種、ラッツォラ、ピノーラなどが栽培されています。やや強くて刺激的な風味の、植物やアーティチョーク、アーモンドの風味が特徴のオイルです。このオイルは大地の食材、つまり野菜によく合います。メッシュアmesciua(豆やファッロのズッパ)、トマゼッレ(肉のインヴォルティーニ)、トッコ・アッラ・ジェノヴェーゼ(赤身肉のラグー)、うさぎ肉のリグーリア風(オリーブと松の実入り)などの地元料理に合います。

ラヴァーニャのオリーブ農家

メッシュア

トマゼッレ

リグーリアの黄金、ことオリーブオイル。リグーリアにはオイルロードもあります。

リグーリア料理は、当然ながらペースト・ジェノヴェーゼだけじゃないけど、全然知られていない。オイルロードの旅も楽しいかも。

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2024年8月30日金曜日

ピッツァ・ナポレターナに匹敵するフォカッチャ・ジェノヴェーゼ。その特徴のカリッとした香ばしさを生み出すのはオリーブオイル。ナポリのトマトにあたります。

今日のお題は、リグーリアの州都、ジェノヴァを代表する食べ物の1つ、フォカッチャです。
フォカッチャ・ジェノヴェーゼはピッツァ・ナポレターナに匹敵する食べ物です。ナポリまでピッツァを食べに行ったことがある人なら、ジェノヴァまでフォカッチャを食べに行くのも、強くお勧め。ナポリのピッツァはナポリの特産物をうまく生かした薄焼きパンで、特産物の代表はトマト。ジェノヴァのフォカッチャも、ジェノヴァの特産物を活かしています。
それはオリーブオイル。オリーブオイルに注目してフォカッチャ・ジェノヴェーゼの作り方を見ると、この薄焼きパンの秘密が見えてきます。

フォカッチャ・ジェノヴェーゼ




ジェノヴァには街中にフォカッチェリーアがあり、食事時には表面がカリッとして(croccante)中はとろけるようにふんわりした焼き立てのフォカッチャを買い求める人で大繁盛します。
ふわふわの日本のパンに慣れていると、ちっょとしたカルチャーショック。かじるとカリッカリッと音がするパンです。

ジェノヴァで一番のフォカッチャを探す動画。
ジェノヴァは思った以上の大都市。フォカッチェリーアも目移りするほどたくさんあります。それとジェノヴァ人の人懐こさも、想像以上。フォカッチャの注文の仕方が分からなくても、店員さんたちが楽しく教えてくれます。



リグーリアのオリーブオイル
ナポリの人のトマトへのプライドは高くて強いけど、ジェノヴァ人のオリーブオイルへの思い入れも当然強い。フォカッチャ・ジェノヴェーゼに、凡庸なオイルはかけない。オイルの選択は小麦の選択同様、とても重要。


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2024年8月29日木曜日

海と山に挟まれた細長いリグーリアの料理はシンプルで創意工夫に満ちたテッラ・エ・マーレの料理。

リグーリアのワインの話をしてきたので、ここらで、今度はリグーリアの料理の話です。
スローフードの地方料理の本、『イタリア・イン・クチーナ

によると、海と山に挟まれた細長い州、リグーリアの料理は大地と海terra e mareの料理。シンプルな印象ですが、狭い土地にこつこつ石壁を積んで段々畑を作るなど、創意工夫に満ちています。その畑で栽培するのはぶどうやオリーブ。基本的には畑の料理ですが、最近は海の料理も増えてきました。
 一般的な魚はイワシにバッカラ。
 肉料理なら、広く普及している料理はチーマcima。残り物を有効利用した料理です。子牛の胸肉の詰め物料理。詰め物は野菜や牛乳に浸した硬くなったパン、脳みそや内臓、尾などや、乾燥きのこ、グリーンピース、チーズ、マジョラムなど。現代はもっとシンプルで軽くなって、内臓は豚肉で代用します。
 詰め物をした肉を縫って閉じ、野菜と一緒にブロードでゆでます。布で包んで重石をして休ませてから、スライスしてサーブします。リグーリアの家庭の日曜日の料理で、復活祭の時期の料理でした。つまりご馳走。
そして様々なフォカッチャ、ジェノヴァのバジリコから造るペーストなどがあります。

リグーリア料理

チーマ・アッラ・ジェノヴェーゼ

焼くのではなくゆでる肉料理のご馳走でした。

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2024年8月28日水曜日

ベルメンティーノ・ディ・サルデーニャは、スペイン人が広めたアルべレッロという栽培方法がベース。伝統的なヴェルメンティーノに個性を加えたのがヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ。

リグーリアのワインの話をしていますが、今日は、ベルメンティーノ・ディ・サルデーニャの話。
 ベルメンティーノはリグーリアの代表的なぶどう品種。でも、サルデーニャの品種としても知られています。サルデーニャはスペインによる支配が長く続きましたが、ナポレオンにも征服され、リグレ共和国となります。ナポレオン失脚後、サルデーニャと併合されて、ビエモンテが本拠地のサルデーニャ王国となります。
 サルデーニャのぶどう栽培に影響を与えたのは、スペインでした。南イタリアのぶどうの栽培方法としてよく聞くのが“アルべレッロalberello”と呼ばれるぶどうの樹を低く育てる方法です。この方法だと、ぶどうは太陽の熱だけでなく、地面からの熱も受けて熟します。この方法は、ギリシャ人によってヨーロッパに伝わり、サルデーニャには、長くて過酷なスペイン占領時にスペイン人によってもたらされました。この方法だと、よく熟した糖分の高いぶどうができ、アルコール度が高い、強くて頑丈なボディーの、酸味が少ない熱いワインになります。アルべレッロは20世紀後半まで続きました。

エトナのアルべレッロ

トスカーナのグラッタマッコのアルべレッロ

 1970年代になると、サルデーニャのワインが根底から変わり出す。市場の要求に合わせて、もっと優しいワインを造ろう、という潮流が生まれたのだ。

 軽く、フレッシュで香りがよく、すぐに飲めて、上品で、夏の海辺のテーブルにぴったりのワイン。これが新しく目指したものだ。

 しかし、この種のワインには強い個性がなく、他のワインと区別しにくい、という欠点もあった。市場の新しいい要求に応じて生まれた、とても個性的なワインが、ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラだ。

 ガッルーラ地方はサルデーニャの北東の端にある。花崗岩質で風が強い乾燥した土壌で、香りがよくてアルコール度が高いワインができる。ぶどうは標高450m以上の畑で栽培される。1996年にサルデーニャで唯一のDOCGワインになった。サルデーニャでは高く評価されているが、他の州ではあまり知られていない。
 
 ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラは、ボディーははっきりしていても、攻撃的ではなく、香りには強さとデリケートさがバランスよく共存している。
 ぶどうのヴェルメンティーノはサルデーニャでは一般的な品種。サルデーニャとリグーリアで、このぶどうのワインがどう進化していったのか、知りたくなる~。

(CIR4月号P.47)で、お勧めしているヴェルメンティーノは、コッリ・ディ・ルーニ・トルキオ。洗練された白だそうです。、ちなみに組み合わせる料理としてリチェッタを紹介しているのは“アーティチョークとリコッタのトルタ”

トルキオ・ヴェルメンティーノ・コッリ・ディ・ルーニ。


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2024年8月27日火曜日

リグーリアのヴェルメンティーノは、スペインやポルトガルから伝わり、高温で海風と日差しが強い地中海から生まれたぶどう品種。地中海の低木の風味、土壌のミネラル、海の塩気も感じる地中海のワイン。、。

 今日のお題はリグーリアで一番普及しているぶどう品種、ヴェルメンティーノvermentinoです。(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ4月号P.47)の記事の解説です。

ポネンテ・リグレのヴェルメンティーノの収穫

2019ヴィ二タリーのリグーリアワイン

 白ブドウのヴェルメンティーノからは、4つのdocワインが造られています。
リヴィエラ・リグレ・ディ・ボネンテRiviera Ligure di Ponente、コッリ・ディ・ルー二Colli di Luni、ゴルフォ・デル・ティジュッリオ・エ・ヴァルポルチェヴェーラGolfo del Tigullio e Valpolceveraです。

 この品種はサルデーニャのマデイラ島に多い品種で、スペインからコルシカとサルデーニャを経由してイタリアに伝わり、13世紀末にリグーリアとトスカーナに広まったと考えられています。ポルトガルではヴェルメンティーノはCodegaとして知られています。
 海風に耐えるヴェルメンティーノは高温で風の強い、日当たりのよい場所を好み、つまりリグーリアは理想的な場所でした。そのワインはデリケートでフレッシュ、キリッとした風味。地中海のアニスやタイムの風味があるのが特徴。地中海を象徴するようなぶどう品種で、フランスや中央ヨーロッパの影響を受けた他の北イタリアの、例えばピエモンテやアルト・アディジェのワインとは違い、スペインやポルトガルの影響を受けた、まさに地中海を感じるワイン。海がない北イタリアの人たちには、造りたくても造りだせないワイン。
 サルデーニャには、ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャという個性的なワインがあります。一方、リグーリアではヴェルメンティーノのワインはコッリ・ディ・ルーニなど。
麦わら色でデリケートな香り、フルーティー、花や植物の香り、ドライでややキリッとした味、しっかりした酸味が特徴のワイン。トルタ・パスクアリーナやシーフードに合います。
コッリ・ディ・ルーニは緑色がかった麦わら色のワイン、地中海の茂みを感じるデリケートな香り、セッコでフレッシュ、軽い酸味、後味にほろ苦さがあり、魚やソフトチーズに合います。

トルタ・パスクアリーナ
 
コッリ・ディ・ルーニ

レヴァンテ・リグレのワイナリー

サルデーニャにヴェルメンティーノが伝わったのはスペイン占領時代でした。この話は
次回に。

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2024年8月26日月曜日

レバンテ・リグレの白、リグーリアのワイン造りは他の州とはまったく別。

今日は(CIR4月号)のワインの話(P.47)。
レヴァンテ・リグレの白です。
リヴァンテとは、イタリア語で東、ということ。ちなみに西はポネンテ。ponente
リグレはリグーリアということ。
リグーリアのワインです。

ポネンテ・リグレ

ジェノバとレバンテ・リグレ



リグーリアって美しい場所ですね。
ところで、リグーリアのワインと言うと、代表的なものは何でしょう。
・・・思い浮かばない。
この地方は農地が少なく、ぶどうを栽培するのはとても大変。
そもそもの生産量が少ない。

リグーリアの世界的観光地、チンクエテッレ
海と山に挟まれた狭いわずかな大地の上にぎゅうぎゅう詰めにカラフルな家々が立ち並んでいる光景が人気ですが、この狭い土地で、どうやってぶどうを栽培するのでしょう。基本は、まず石垣の段々畑を作って、畑を作ります。見る分には美しいですが、ここに住んでワインを造るとなると、別の話。
記事にもあるように、ぶどう畑へは唯一の機械、モノレールで行き来します。平地がない場所で大変な思いをして造るワインへの愛情とプライドは相当なもの。リグーリアのレストランで偶然出会ったワイナリーの営業マンは、すごく話が面白くて、あっという間にリグーリアワインのファンになりました。この地方のワインを語るには、地理や気候、歴史も知らなくてはならず、それを知っている営業マンの話は、とても面白いものでした。


リグーリアの代表的ぶどう品種は、ヴェルメンティーノ。でも、レバンテ・リグレでは少数派で、もっと重要なのは香りが特徴のアルバローラ。


この地方のぶどう栽培は英雄的、と称されます。それだけ大変で難しい。その大変な作業をこなしているぶどう農家は、地元とワインに対する愛情と情熱もすごい。
以前、英雄的という言葉で農民を称えるのを聞いたことがあります。それはアマルフィのレモン農家でした。

アマルフィのレモン

リグーリアのぶどう栽培

リグーリアは、チンクエテッレのような風光明媚な観光地としてみる時と、ワインの産地として見る時はまったく別物。

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2024年8月24日土曜日

パン粉pankoは日本製のパン粉のこと。あっと言う間に広まった。

今日の料理は北イタリアの4月の初物野菜、アスパラガス。様々なリチェッタでいただきます。
フリット

アスパラガスのバター炒め。

北イタリアのアスパラガスにかけるのは、フランス風のサルサ・オランデーゼ。フランス語で言うとソース・オランデーズ。アスパラガスと相性の良い、フランス料理の基本のソース。
サルサ・オランデーゼ


オランデーゼソースをかけとるとてもフレンチですが、揚げるとかなりイタリアン。ちなみにパン粉は日本製のパン粉。イタリア語でパン粉はpane grattugiatoですが、日本製のパン粉はpanko。これは訳すのちょっと面倒。


パン粉のCM

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2024年8月23日金曜日

チョコレートのイースターエッグの進化系はパウンドケーキのイースターエッグ。アレンジは自由自在。

(CIR4月号)から、今日のリチェッタは、“ホワイトチョコレートの卵のパウンドケーキ”(P.14)です。卵、イースターエッグは復活祭を象徴する食材。
毎年イースターエッグの開封動画は、つい見ちゃうんだなあ。大きなおにいちゃんたちが、夢中になってる。中に何が入っているのかわからない、サプライズ的な要素もあるのが人気なのでは。

欧米にはイースターエッグを手作りする習慣があるので、卵の形の型なんかも大小さまざま出回ってます。

大人になると、中に入ってるのはこんなのがいいかなあ。ロシアの貴族たちの膨大な富の象徴。そりゃ革命も起きるわな。

で、(CIR)のリチェッタは、卵のパウンドケーキ。可愛いし、サプライズもある素敵なドルチェ。まあ普通ならケーキの中にチョコレートの卵を埋め込んだケーキあたり。でも、パウンドケーキを粉にして卵の型に詰め、卵黄はアンズジャムとココア、ホワイトチョコレートを溶かして卵の殻にする、というこのドルチェ、アレンジの可能性がたくさんあります。


4月号のリチェッタの中で、一番可愛い1品です。

ホワイトチョコレートの卵のポロック風アレンジは、とても効果的。これはダチョウの卵のサイズだけど、小さい卵の型だともっと可愛い。


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2024年8月22日木曜日

パスクエッタのカザティエッロ

今日の料理は、(CIR4月号)から、P.3の“カザティエッロ・コンテンポラネア”。
カザティエッロはナポリのパスクエッタの伝統料理。コンテンポラネアとは「現代風」という意味。
まずパスクエッタはイースターマンデーのこと、つまり、復活祭翌日の月曜日で、祝日です。ナポリでは、このカザティエッロを持って、郊外にピクニックに出かける日。

カザティエッロ・ナポレターノ。


イースト入りの発酵生地のトルタ・サラータ。殻付き卵を載せるのが特徴。ナポリの伝統料理のカザティエッロは、卵の上に棒状の生地を十文字に重ねてベースのトルタに固定した素朴なもの。(CIR4月号)のリチェッタは、卵を生地に複雑に編み込んだ現代風。

パスクエッタのピクニック。

casatielloの語源は“cacio”カーチョ/チーズ。カザティエッロの主役の食材です。おろしたたっぷりのペコリーノとパルミジャーノ少々。具には他に、サラミやチッチョリが入りますが、各家庭ごとにバリエーションは様々。

卵は復活際のシンボル。
中に何が入っているのかは、昔から子供たちが興味深々。毎年この季節になると、イースターエッグオープン動画が山ほど出てきます。


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イタリアの南vs北問題は、今や若者vsおばあちゃん問題になってイタリア人の笑いのツボのドストライク。楽しい国~。

スパゲッティ・ボロニェーゼは実は、地方の集合体である豊かなイタリア料理の特徴と、南北の分断という実情を如実に反映した料理でした。北のソースを南のパスタにかけるのは、外国人には全然わかりませんが、イタリア人にとってはかなり不自然で邪道な行為。 イタリア人にとっても、南北の違いは面白...