2024年8月28日水曜日

ベルメンティーノ・ディ・サルデーニャは、スペイン人が広めたアルべレッロという栽培方法がベース。伝統的なヴェルメンティーノに個性を加えたのがヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ。

リグーリアのワインの話をしていますが、今日は、ベルメンティーノ・ディ・サルデーニャの話。
 ベルメンティーノはリグーリアの代表的なぶどう品種。でも、サルデーニャの品種としても知られています。サルデーニャはスペインによる支配が長く続きましたが、ナポレオンにも征服され、リグレ共和国となります。ナポレオン失脚後、サルデーニャと併合されて、ビエモンテが本拠地のサルデーニャ王国となります。
 サルデーニャのぶどう栽培に影響を与えたのは、スペインでした。南イタリアのぶどうの栽培方法としてよく聞くのが“アルべレッロalberello”と呼ばれるぶどうの樹を低く育てる方法です。この方法だと、ぶどうは太陽の熱だけでなく、地面からの熱も受けて熟します。この方法は、ギリシャ人によってヨーロッパに伝わり、サルデーニャには、長くて過酷なスペイン占領時にスペイン人によってもたらされました。この方法だと、よく熟した糖分の高いぶどうができ、アルコール度が高い、強くて頑丈なボディーの、酸味が少ない熱いワインになります。アルべレッロは20世紀後半まで続きました。

エトナのアルべレッロ

トスカーナのグラッタマッコのアルべレッロ

 1970年代になると、サルデーニャのワインが根底から変わり出す。市場の要求に合わせて、もっと優しいワインを造ろう、という潮流が生まれたのだ。

 軽く、フレッシュで香りがよく、すぐに飲めて、上品で、夏の海辺のテーブルにぴったりのワイン。これが新しく目指したものだ。

 しかし、この種のワインには強い個性がなく、他のワインと区別しにくい、という欠点もあった。市場の新しいい要求に応じて生まれた、とても個性的なワインが、ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラだ。

 ガッルーラ地方はサルデーニャの北東の端にある。花崗岩質で風が強い乾燥した土壌で、香りがよくてアルコール度が高いワインができる。ぶどうは標高450m以上の畑で栽培される。1996年にサルデーニャで唯一のDOCGワインになった。サルデーニャでは高く評価されているが、他の州ではあまり知られていない。
 
 ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラは、ボディーははっきりしていても、攻撃的ではなく、香りには強さとデリケートさがバランスよく共存している。
 ぶどうのヴェルメンティーノはサルデーニャでは一般的な品種。サルデーニャとリグーリアで、このぶどうのワインがどう進化していったのか、知りたくなる~。

(CIR4月号P.47)で、お勧めしているヴェルメンティーノは、コッリ・ディ・ルーニ・トルキオ。洗練された白だそうです。、ちなみに組み合わせる料理としてリチェッタを紹介しているのは“アーティチョークとリコッタのトルタ”

トルキオ・ヴェルメンティーノ・コッリ・ディ・ルーニ。


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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

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カンパーニアで育ち、18歳でローマのハインツ・ベックのラ・ベルゴラで働き始め、26歳で最初のミシュランを獲得し、現在はアマルフィの高級ホテルのレストランのシェフ、クリストフォロ・トラバニは現在注目のシェフ。

今日紹介するのは、(CIR7月号P.26)で紹介している若手シェフ。 クリストフォロ・トラバニシェフです。1988年生まれ。 彼は幼少期と思春期をカンパーニアで育ち、18歳でローマの3つ星レストラン、ハインツ・ベックのラ・ベルゴラで働き始め、その後数々のグラン・シェフの元で働き、...