2024年8月17日土曜日

ネッビオーロの息子たちと、モスカートのお姫様たち、ピエモンテのワインは、どちらの道を取るかで大きく分かれる。

(CIR4月号)の料理と甘口ワインの組み合わせの話をしていて、感じたことがあります。
それは、ワインとの出会いが甘口ワインだった人、多いんじゃないかなあ、ということ。最初は甘口ワインから入って、ある日、辛口ワインに出会い、それ以来、様々なワインの魅力に惹かれて、ワイン大好きになっていくというもの。
自分の場合も、最初はアスティスプマンテでした。ピエモンテには、甘くてのど越しの良いモスカートやフレイザなどのワインが各種ありますが、その一方で、バローロ、バルバレスコ、ガッティナーラ、ゲンメなどの、重厚なワインのネッビオーロの息子たちがいるのです。

モスカートもネッビオーロも好きで、どちらか一方なんて選べない。
ピエモンテのワイン

フレッシュでフルーティーな微発砲の場合も多いワイン、フレイザ・ダスティ。
イタリア王国の初代の王、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世はこのワインをデイリーワインにしていました。ぶどうはフレイザ。セッコ、アマービレ、フリッザンテがあり、スーペリオ―レは最低アルコール度が11.5%で、12か月以上熟成させます。スタンダードタイプよりボディーがあり、個性がははっきりしています。
相性の良い料理は、前菜なら生肉がベースのタリアータやカルパッチョ、腸詰、レバーのパテなど。チーズはパルミジャーノ、ペコリーノ・トスカーノ、カチョカヴァッロ・シラノ、トーマ・ピエモンテーゼなど。フォンティーナを使ったフォンドゥータ、グリュイエール、エメンタール、モンタジオなどのセミハードチーズ、味の強い魚のズッパ、骨や皮でブロードを取った肉入りの豆のズッパなどに合います。
料理との組み合わせまで考えるようになったら、もうソムリエですね。特にチーズとの相性を考えるようになったら、もう専門家。
(CIR4月号)の記事には、甘口ワインと組み合わせるパスタのリチェッタ(P.28)まで載っています。

モスカート・ディ・スカンツォ。

モスカート・ディ・スカンツォは209年にイタリアで最小のDOCGワインになったパッシートの赤ワイン。同名の、イタリアで最も古い品種の一つのぶどうから造ります。こちらはロシアの女帝エカテリーナ2世への贈り物としてロシアに運ばれたり、イギリス人のパッシート好きのお陰でロンドンリ証券取引所にポルト酒やシェリー酒と一緒に上場されているワイン。
残念なのが、特別すぎて、生産者もこのワイン造りは隙間産業と言いきっちゃってること。食文化の研究者にとってもとても魅力的。

ブラケット・ダックイ

ブラケット・ダックイもピエモンテの甘口ワイン。ぶどうはブラケット。このワインは教皇パオロ3世のお気に入りでした。
ブラケットには生のぶどうの味を引き立てる特徴があり、マチェドニアやソルベットによく使われます。地元ではピエモンテの焼き菓子と組み合わせるのが伝統的な飲み方。フルーツのクロスタータや桃の詰め物入りなどにあいます。グラスは口の広いコッパ形が適しています。
甘口ワインは独特の世界。きわめてみるのもおもしろいかも。
まずはクリスマスにアスティ・スプマンテを飲むことから・・・。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

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カンパーニアで育ち、18歳でローマのハインツ・ベックのラ・ベルゴラで働き始め、26歳で最初のミシュランを獲得し、現在はアマルフィの高級ホテルのレストランのシェフ、クリストフォロ・トラバニは現在注目のシェフ。

今日紹介するのは、(CIR7月号P.26)で紹介している若手シェフ。 クリストフォロ・トラバニシェフです。1988年生まれ。 彼は幼少期と思春期をカンパーニアで育ち、18歳でローマの3つ星レストラン、ハインツ・ベックのラ・ベルゴラで働き始め、その後数々のグラン・シェフの元で働き、...