(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2021年4月号のリチェッタは、グリーンピースの話から始まりましたが、ここでちょっと初心に戻って、そもそも、4月のイタリア料理の大イベント、復活祭(イースター)の話。
今月号の記事は、特定な素材の料理の特集があれこれあります。
そもそも、春の訪れを祝う復活祭は、それを象徴する食材が主役になります。
その代表が、卵、子羊肉、発酵生地、ハーブなどです。
卵は命の復活、春、希望を象徴しています。
まさか卵を買うのがこんなに大変になる日がくるなんて、考えたこともなかったのですが、このままいくと、ゆで卵が高級品になってるかも。
パスクアの卵、イースターエッグは、殻に色を付けたカラフルなゆで卵です。
■色付き液で殻をむいたゆで孫をマリネ。黄身を取り出し、塩、こしょう、マスタード、マヨネーズで調味して白身に絞り出す。
ゆで卵に色をつける方法は無数にある。
中世には四旬節の間、動物由来である卵を食べることが禁じられた。そこで卵に赤や青の幾何学模様を描いて聖金曜日に祝福し、貧しい人に与えたのだった。
ストラッチャテッラStracciatella alla Romanaは溶き卵のスープ。
ブロード・ディ・カルネと卵が主役のローマ料理。
材料/
牛すね肉・・500g
ミニトマト(ダッテリーニ)・・5、6個
にんじん・・1本
セロリ・・1本
玉ねぎ・・1個
卵・・4個
パルミジャーノ・・100g
イタリアンパセリ、レモン
塩、黒こしょう、EVオリーブオイル
・鍋に丸ごとのすね、小さく切ったにんじん、玉ねぎ、セロリ、トマト、水2ℓ、塩を入れて2時間煮てブロードをとります。
・卵黄3個、全卵1個、パルミジャーノ、刻んだイタリアンパセリ、レモンの皮のすりおろし、塩、こしょうを混ぜる(ストラッチャテッラ)。
・ブロードを濾して沸騰させる。ストラッチャテッラを加えて1分煮て、皿に盛り付ける。
ストラッチャテッラは、復活祭になると、ブロデット・パスクアーレという祝日のご馳走に変身します。ブロードは、牛肉ではなく、牛肉と子羊肉のブロードになります。
そもそもローマ人は羊飼いの民族。
羊は貴重な財産で神聖さの象徴でした。
さらに羊は今日では生贄のシンボル。キリストが自らを生贄の子羊として十字架にかかったことに由来する聖体の象徴。
特に草を食む前の乳飲み子羊は、ローマでは純粋さの象徴。アッバッキオabbacchioと呼んだ。
アッバッキオ・アッラ・ロマーナ。
リコッタは羊の群れの象徴で、繁栄を願う食材。
ノアの箱舟にオリーブの小枝を加えて戻ってきた鳩(コロンバ)は平和の象徴。イタリアの復活祭のイメージキャラクターになったのばドルチェ業界のアイデア。
子ヤギはイメージ的にも子羊とよく似ているので復活祭の料理にはよく使われる。
小バトのパン。
4月の料理にこれらの食材が欠かせないわけ、お判りいただけましたか?
明日は、まさに今の時期の料理、生パスタです。
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ブログ『イタリア料理ほんやくざんまい』
イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)』
“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ
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