今日のお題はパッパルデッレです。スローフードの“スクオラ・ディ・クチーナ”シリーズのパスタとソースの関係を研究した本、『パスタ・エ・スーギ』
エミリア地方の平麺、タリアテッレはラグーのために生まれたパスタ、なんて言います。
この言い方をするなら、トスカーナのパッパルデッレはジビエのために生まれた麺。
パッパルデッレの語源はパッパ―レpappare。トスカーナの方言でむしゃむしゃ食べる、という意味だそうで。パスタよりジビエにふさわしそうな動詞です。
ジョルジョーネの猪肉のラグーのパッパルデッレ。
・玉ねぎ、にんじん、セロリのみじん切りを油でソッフリットにする。
・ラルド(猪肉はとても赤身なので柔らかくするために脂肪分が必要)の薄切り、水分を出すための粗塩少々、包丁で粗く叩いた猪肉、たっぷりの粗挽きこしょうを加えて10分炒める。
・白ワインをかけてアルコール分を飛ばす。トマトと粗塩を加え、蓋をして火を弱め、30分~1時間煮る。
・ゆでたパッルデッレを加えてマンテカーレする。
パッパルデッレの仲間、サーニェは、セモリナ粉のパスタで、南イタリア、特にアブルッツォやモリーゼ、チョチャーリア山地が発祥地。トマトと豆のソースが合います。
サーニェ・エ・ファジョーリ。
・フライパンににんにく、油、唐辛子少々、セロリをソッフレットにし、皮むきトマト、塩を加えて15分煮る。ゆでたいんげん豆を加えて10分煮る。
・ゆでたサーニェを加えて数分なじませる。
次第に魚や野菜、ハーブに合う細い麺も造るようになりました。
これらの麺のルーツは家庭で主婦が手打ちするタリアテッレ。
ラツィオやローマではフェットゥッチェfettucceやフェットゥッチーネfettuccine。
このパスタは地方料理というより、アルフレードという1軒のレストランが広めた特殊なパスタで、バターとパルミジャーノで調味します。
フェットゥッチーネ・アルフレードFettuccine Alfredo。
基本は猪と同じ。
肉は包丁で刻むんだって。“パッパ―レ”には相応しそう。
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ブログ『イタリア料理ほんやくざんまい』
イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)』
“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ
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