2023年6月13日火曜日

ボローニャのラグ―のためのタリアテッレ、ローマのバターとパルミジャーノのフェットゥッチーネ、トスカーナのジビエのパッパルデッレ。

今日のお題はパッパルデッレです。スローフードの“スクオラ・ディ・クチーナ”シリーズのパスタとソースの関係を研究した本、『パスタ・エ・スーギ

によると、パッパルデッレは卵入りの平麺の一種で、中央イタリアの典型的なパスタで、卵入りの麺。主に長時間煮込んだリッチな赤肉や黒肉のラグーと組み合わせます。赤肉は牛、黒肉はジビエです。
エミリア地方の平麺、タリアテッレはラグーのために生まれたパスタ、なんて言います。
この言い方をするなら、トスカーナのパッパルデッレはジビエのために生まれた麺。
パッパルデッレの語源はパッパ―レpappare。トスカーナの方言でむしゃむしゃ食べる、という意味だそうで。パスタよりジビエにふさわしそうな動詞です。

ジョルジョーネの猪肉のラグーのパッパルデッレ。

・玉ねぎ、にんじん、セロリのみじん切りを油でソッフリットにする。
・ラルド(猪肉はとても赤身なので柔らかくするために脂肪分が必要)の薄切り、水分を出すための粗塩少々、包丁で粗く叩いた猪肉、たっぷりの粗挽きこしょうを加えて10分炒める。
・白ワインをかけてアルコール分を飛ばす。トマトと粗塩を加え、蓋をして火を弱め、30分~1時間煮る。
・ゆでたパッルデッレを加えてマンテカーレする。

パッパルデッレの仲間、サーニェは、セモリナ粉のパスタで、南イタリア、特にアブルッツォやモリーゼ、チョチャーリア山地が発祥地。トマトと豆のソースが合います。

サーニェ・エ・ファジョーリ。

・フライパンににんにく、油、唐辛子少々、セロリをソッフレットにし、皮むきトマト、塩を加えて15分煮る。ゆでたいんげん豆を加えて10分煮る。
・ゆでたサーニェを加えて数分なじませる。

次第に魚や野菜、ハーブに合う細い麺も造るようになりました。
これらの麺のルーツは家庭で主婦が手打ちするタリアテッレ。
ラツィオやローマではフェットゥッチェfettucceやフェットゥッチーネfettuccine。
このパスタは地方料理というより、アルフレードという1軒のレストランが広めた特殊なパスタで、バターとパルミジャーノで調味します。

フェットゥッチーネ・アルフレードFettuccine Alfredo。

野ウサギのスーゴのパッパルデッレ。
基本は猪と同じ。

肉は包丁で刻むんだって。“パッパ―レ”には相応しそう。


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