パスタ入門。
パスタは粉と水から作ります。
小麦粉に水を加えてこねると、グルテンが形成され、形態が安定してゆでても崩れなくなります。
でも、軟質小麦粉と水だけの生地は、かなり珍しく、出来上がったパスタはかなり質素で素朴なものになります。このパスタは、煮崩れて問題のない料理、主にミネストラに加えます。
この生地をさらに完成させるのは湯を加えた生地です。きのうのブログで動画をいくつか紹介しました。
湯は小麦粉の中のデンプンをゲル化して結晶分子の巻き戻しと伸長を促して長い網目構造ができます。こうして作られた生地は調理に耐えます。
実はこの製法がもっとも用いられているのはアジアの米の麺。
グルテンがない米の麺は小麦粉の麺とはまったく違う作り方をしていて、調理方法も違います。
米粉の麺の製造過程は小麦粉のパスタとはあまりにも違うので、パスタの造り方は科学的に詳細に解説しているスローフードの本でも「製造過程はとても複雑で家庭で作るのには適さない」と、完全にお手上げ状態。
アジアの麺は、アラブが伝えたパスタ文化とはまったく違うものだったのですね。
下の動画、残念ながら何を造っているのか全然わからない。
ビーフンとは対極にある麺。
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粉と水のパスタの次は、粉、水、卵のパスタです。
この進化のポイントとなるのは卵黄のレクチンです。
パスタの生地では、レクチン分子は互いに絡み合って格子状になり、形状を維持するようになります。
この作用のために、ピエモンテのクーネオあたりでは、卵白は加えずに卵黄をたっぷり加えたパスタ、タヤリンtajarinを作るようになりました。
卵黄40個のタヤリン。
今月のリチェッタ(CIR4月号P.5)は卵黄10個のタリオリーニ。タリオリーニはタヤリンのこと。
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