2023年6月29日木曜日

IGPのブレザーオラは、ヴァルテッリ―ナ生まれ。料理に使う方も、堂々と宣言する。

ミラノなどロンバルディアに行ったら食べておきたいロンバルディアの名物食材は、
バルテッリーナ地方のシンボル、

ヴァルテッリ―ナのブレザーオラ。

ブレザーオラの人気のポイントは、豚肉ではなく牛のもも、ヒレなどを軽く塩漬けにしたサルーミで、アルプスの干し肉の伝統から生まれたサルーミです。ヴァルテッリ―ナだけでなく、イタリア中で造られていますが、ヴァルテッリ―ナで造られたものはIGP製品に認定されています。塩気が軽く、自然な味でとても人気があります。
イタリアでは、ブレザーオラの語源は、一説では、“塩漬け”を意味するブリーザbrisa。肉に粗塩と造り手独自の配合の天然の香料(にんにく、ナツメグ、ローリエ、クローブ、シナモン、ジュニパーなど)、ワインをまぶして10日間寝かせ、腸詰にして吊るして1~3ヵ月熟成させます。サーブする時は薄くスライスしてそのまま、またはオイル、レモン汁、バルサミコ酢、こしょう、オレガノ少々などで調味します。

ブレザーオラIGPのピッツァ。

ブレザーオラの後にわざわざIGPとつけるケースがとても多いです。IGP認定は類似のコピー品でないことの証明にもなっています。
IGPはindicaione geografica d'origineの略。保護指定地域表示。他にDOP denominazione di origine protetta保護指定原産地表示もあります。
DOPは主要食材の産地、飼育、加工が具体的に決められている地域内で明確に定められた法律に基づいて行われている製品。その結果、五感や栄養的特徴が製品に現れている。サルーミの場合は、子豚の誕生から製品の出荷までがイタリア内で行われているので製品の衛生管理が行政の手で最大限把握されている、安全が保障されている製品。
IGPは産地以外の2つの条件を満たしている製品。

ヴァルテッリ―ナはロンバルディアの中でも個性的な食文化がはぐくまれた地方。食べ歩きの観光にもぴったり。高原の放牧地を代表するチーズ、ビットの産地でもある。ビットはマイルドで山のハーブの味がする。
ヴァルテッリ―ナのビット。

ブレザーオラIGPとビットDOPのリゾット。

そうそう、チーズと言えば、グラナ・パダーノもロンバルディア生まれの硬質チーズでした。ただし今はイタリア中で造られています。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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