2023年6月2日金曜日

リジ・エ・ビジはベネチア共和国の領土中に広まったけど、今は世界中のベネチア料理を出すイタリア料理店に広まっているに違いない。

今月のリチェッタ1品めは、“カプリーノのラビオリ、グリーンピースのブロードかけ”
(リチェッタはP.4)でした。
グリーンピースといえば、さや入りの生のグリーンピースが出回る季節のベネチアの名物料理、リジ・エ・ビジの主役。
4月25日のサン・マルコの日に、ベネチアの大公が外国の大使たちを招いた盛大なパーティーで出した料理です。別名大公の料理とも呼ばれる由緒正しい料理。ただし当時のリチェッタは現代とはかなり違うものだそうです。サン・マルコはベネチアの守護聖人。

リジ・エ・ビジはベネチアの繁栄を祝う印で、新しい季節の始まりを象徴する料理でもありました。
ベネチア共和国の領土だけでなく、アドリア海の東側、ギリシャ、トルコ、レバノンにも広まりました。現代では、世界中のベネチア料理を出す店にも広まっていることでしょう。
ベネチアを代表するサン・マルコ広場は代表的な観光スポット。


リジ・エ・ビジRISI E BISI。

リジ・エ・ビジはリゾットのようなミネストラで、ブロードはグリーンピースのさやを裏漉しして使います。こうすると濃くて味の強いブロードになります。米一粒につき、グリーンピース1個の割合で入れるのがベネチア流。さらに、通常のスープの時より1カップ多くのブロードを加えて煮て柔らかいスープにします。

初物野菜の代表、グリーンピースのさやでブロードをとるのはベネチアじゃなくてもやってます。もちろん、さやを使うので無農薬のグリーンピースを使います。リジ・エ・ビジには小粒で熟しすぎていないものが最適。

グリーンピースのさやのブロードのズッパ。

材料/3杯分
フレッシュのさやつきグリーンピース・・500g
じゃがいも・・大1個か小2個
にんじん・・1本
セロリ・・大1本
玉ねぎ・・1個
EVオリーブオイル、塩
生クリーム、黒こしょう
パンのクロスティーニ

・たっぷりの水と香味野菜(玉ねぎは1/2個、残りはソッフリット用)、塩でゆでてブロードをとる。
・鍋に残りの玉ねぎのみじん切りと油を入れ、蓋をして弱火でソッフリットにする。
・その間にグリーンピースを下ごしらえをする。上下の筋とヘタを取り、2~3つに切る。じゃがいもは皮をむいて小角切りにする。
・玉ねぎのソッフリットにグリーンピースとじゃがいもを加え、蓋をして最低5分煮る。
・ブロードをたっぷり加えて蓋をして沸騰させ、最低30分煮る。
・火を止めてハンディミキサーで攪拌する。さらに濾して繊維を取り除く。
・スープ皿に盛り付けて中央に生クリームを垂らす。こしょうを散らして油を回しかけ、パンのクロスティーニ少々を加える。


今月のリチェッタには、もう1品、グリーンピースが主役の料理があります。
その話は次回に。

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シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。

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