(CIR)4月のリチェッタのプリーモ1品目は、卵黄を10個も使うタヤリン、つまりピエモンテの伝統パスタのアレンジでした。
しかもさりげなくソラマメ入りで、5月の料理であることを猛アピール。
毎月のリチェッタは、ちょっと一ひねりした地方料理が多いので、それを発見するのも楽しいです。
さて、ブリーモ2品目は、リゾット・カーチョ・エ・ペペです(リチェッタはP.5)。
これはどこの地方の料理でしょうか。
ちょっと簡単でしたかね。
カーチョ・エ・ペペと言えば、ローマそしてラツィオの名物。
カーチョはチーズでペペはこしょう。カルボナーラの系列なのは一目瞭然。
ローマのチーズと言えば、ペコリーノ・ロマーノのこと。
さらにダメだしともいえるのが、リゾットのトッピングの野菜、プンタレッレ。
プンタレッレ。
ローマの名物野菜のチコーリアの芽です。アンチョビソースでサラダにするのが一般的ですが、こんな風に、リゾットのトッピングにもなるんですね。
カーチョ・エ・ペペはシンプルな料理だけに、バリエーションも豊富。
カーチョ・エ・ペペ。
カーチョ・エ・ペペのリチェッタでいつも思い出すのは、カルロ・クラッコシェフが、その著書『クラッコの地方料理』
の中で語っていること。パスタの基本ともいえるこの料理を、シェフは色々試してみたそうですが、今一つ、納得できません。
の中で語っていること。パスタの基本ともいえるこの料理を、シェフは色々試してみたそうですが、今一つ、納得できません。
そこで、先輩で大親友のパエロ・ロプリオーレシェフのアドバイスを取り入れてみました。
パオロ・ロプリオーレシェフのカルボナーラ。
彼のアドバイスは、数種類のペコリーノを混ぜてみる、ということでした。
こんなシンプルなアドバイスに従ったところ、たちまちシェフは開眼しました。
ペコリーノは羊のミルクのチーズのこと。羊飼いと移牧の国、イタリアには、たくさんのペコリーノが造られています。
しつものパルミジャーノをペコリーノにするだけでも新鮮な体験だと思いますが、こしょうに関しても同じことが言えます。
こしょうについては、酢漬けのグリーンペッパーについて、シェフは、長い間しまいっぱなしのグリーンペッパーは、かなり劣化しています。美味しいはずがありません。と、スパイスと言えども納得のいく品質のものを使うようにアドバイスしています。
クラッコシェフの本の“カーチョ・エ・ペペ”のリチェッタでは、ペコリーノ・ロマーノとロマーニャ地方のペコリーノ・ディ・フォッサが使われていました。
ペコリーノ・ディ・フォッサ。
値段で判断するのはちょっとえげつないけど、世界で一番高価なこしょう、というのがサラワクのこしょうの一番の宣伝文句。
チーズもこしょうもサーブも客の前で行うのは、いいもの使っているという自信の表明でもある。
ローマのカルボナーラで有名な某店は、サラワクのこしょうを使ってるのが売り。
次回はペコリーノの話をもう少し。
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