きのうはソラマメ料理の話から、ローマ風ピッツァの話に移る予定でしたが、ローマ風ピッツァの話をするには、ナポリ風ピッツァの研究も必要で、そうなるとかなり大変なことになりそうなので、その前に、(CIR)4月号のプリーモ・ピアット、“卵黄、ソラマメ、ポロねぎ、ズッキーニのタリオリー二”(リチェッタはP.5)の話に戻ります。
見落とすところでしたが、このタリオリーニ、卵黄を10個使います。
卵入りのパスタの話は、パスタ・フレスカの基礎として素通りはできない話でした。
ところが、この話をするとなると、パスタの話を掘り下げないとならないので、ローマ風ピッツァどころではない深い話になるのでした。
いい機会なので、ちょっと足を踏み入れることにします。参考にしたのはスローフードの“スクオラ・ディ・クチーナ”シリーズです。
まずは、パスタ・フレスカの基礎、パスタ・リッシャpasta lisciaのそのまた基本の話です。
食べ物としてのパスタは、小麦粉と水をこねた生地を成形したもの。その過程によって様々な形のパスタが生まれました。
でも、そもそものルーツは、粉と水を混ぜただんご、ニョッキです。
基本はじゃがいものニョッキですが、
じゃがいもはアメリカ大陸から伝わった食材で、小麦とは違う歴史があります。
じゃがいものニョッキ。
じゃがいもが入らない、小麦粉を煮て作るニョッキ。
材料/
硬質小麦粉・・500g
00番の小麦粉・・500g
水・・850ml
・小麦粉をフォンタナに盛り、中央に熱湯を入れる。フォークで少しずつ混ぜる。
・さらに手でこねてまとまった生地にする。
・少量ずつ棒状に伸ばして短く切る。
こんなところにルーツがあるんですね。
これをゆでてソースをかけて食べます。
硬質小麦粉のパスタ・フレスカ。
軟質小麦粉のパスタ・リッシャの代表はタリアテッレ。麺棒で生地を薄く伸ばして作るパスタです。軟質小麦がよく育ち、硬質小麦が育ちにくい北イタリアで普及したパスタ。
スローフードの“スクオラ・ディ・クチーナ”シリーズによると、主婦がプライドをかけて家庭で作るパスタでしたが、第2次大戦後に大量生産品が出回り出して広まったパスタだそうです。
基本的な配合は、軟質小麦粉100gと水約50g。これをこねて最低30分休ませます。
・小麦粉を口が広くて浅いフォンタナに盛り、水を入れます。粉が水を全部吸いこむまで混ぜたら力を込めてこねて適度な腰のある生地にします。塊を布巾で包み、器に入れて翌日の作業用に冷蔵庫で休ませます。
基本の粉と水の生地ですね。これをもっと扱いやすくするために、油大さじ1を加えたり、色を黄色にするためにサフランを加えたりと、各種のアレンジが加わりました。
これらの役割を一つで全部含んだ食材もありました。卵です。水の代わりに卵を加えた生地が造られるようになりました。
次回はパスタ・フレスカの卵の話。
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ブログ『イタリア料理ほんやくざんまい』
イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)』
“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ
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