(CIR2021年4月号)の《4月のリチェッタ》の話に戻ります。
4月のプリーモ1品めは、“グリーンピースのブロードをかけたカプリーノのラビオリ”(P.4)でした。
この時期のグリーンピース料理と言えば、“リジ・エ・ビジrisi e bisi”。4月25日のベネチアの守護聖人、サン・マルコの日に欠かせない料理で、この日はベネチアとその近郊でグリーンピースが大量に消費されます。
リジ・エ・ビジ。
グリーンピースのさやのブロードでお米とグリーンピースを煮込むミネストラ。
ナポリでは米ではなくパスタを組み合わせます。
グリーンピースぐらいの大きさのディタリーニなどの小粒のショートパスタを組み合わせるのが一般的ですが、ナポリでは折ったスパゲッティでも作ります。
材料
ディタロ―二・・250g
小粒のグリーンピース・・450g
パンチェッタ・・200g
玉ねぎ・・1個
野菜のブロード
パルミジャーノ・・60g
EVオリーブオイル、塩、こしょう
バジリコ
・玉ねぎのみじん切りを油でソッフリットにし、パンチェッタを加えてよく炒めます。
・さやむきグリーンピース、ちぎったバジリコ、パスタを加え、野菜のブロードか水をかけながらリゾットの要領で煮ます。8~10分煮てパスタに火が通ったら火を止めて塩味を調え、おろしたパルミジャーノを加えます。
・皿に盛り付けて5分休ませ、パルミジャーノを散らしてバジリコで飾り、こしょうを挽きかけてサーブします。
柔らかいグリーンピースは春の初物として知られています。
春の初物の代表は、グリーンピースとソラマメです。
ソラマメはカレンディマッジョcalendimaggioという。春になって畑に戻る季節を祝う農家の儀式の主役です。
ソラマメとグリーンピース。
そういえば、イタリアの名前、ファビオはソラマメが語源。
アッシジのカレンディマッジョの祭り。
太鼓の音に血が騒ぎ、なにやらドキドキしちゃうくらい魅力的。
馬かーと思ったら足が人間だった。
楽しすぎ~。
5月には、こんな祭りがヨーロッパ中で行われます。
中世のコスチュームの太鼓かっこよすぎ~。
現在イタリアの中~南部で受け継がれている春のピクニックの習慣のルーツです。
復活祭の翌日、英語だとイースターマンデーEaster Monday、イタリア語だとパスクエッタpasquetta。
そしてこのピクニックのバスケットに欠かせないのが新鮮なソラマメ。
毎年5月1日にはこの地方ではソラマメが大量に消費されます。今月の(CIR)の今月のリチェッタのプリーモ3品めは“ソラマメとズッキーニのタリオリーニ”(P.5)。
パスタ・フレスカもソラマメが入るだけで季節感がぐんとup。
ソラマメの最高の相棒はサラミ、ということは昔から信じられています。
という訳で、次回はソラマメのパスタでも。
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ブログ『イタリア料理ほんやくざんまい』
イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)』
“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ
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