2023年3月28日火曜日

ガチョウに感情移入しすぎると料理の話にならない。北アフリカまで、無事に渡って行くんだよー。

ガチョウが鴈の仲間と知り、野生のガチョウの料理はジビエと言えることに気が付きました。
ジビエ料理と言えば、お勧めの本があります。
イグレス・コレッリシェフの『カッチャジョーネ』です。

これまでも何度か紹介してきましたが、その度に、この本で一番注目している料理を取り上げました。
その料理はフォアグラのラグーとグラナ・パダーノ入りタリオリーニ・イン・ブロードです。そして、ガチョウがポー河流域に生息する野鳥、と知った今、実は、この料理のことを何も理解しいてなかったことに気が付きました。
まず、この料理はポー河の食文化から生まれた料理です。
そもそもは、タリオリーニ・イン・ブロード。
細い手打ち麺タリオリーニを鶏のブロードでゆでてブロードをかけてサーブするパスタです。

タリオリーニ・イン・ブロード
イン・ブロードのパスタはトルテッリーニなどの詰め物入りパスタが有名。ポー河流域の名物パスタで、今ではイタリア料理を代表する1品になっています。

詰め物入りパスタ、トルテッリーニ・イン・ブロードはボローニャやモデナの名物。

もう一つのこの料理の主役はグラナ・パダーノ。
実はイタリア料理好きは、ポー河の恵みにほぼ毎日接しているのです。その名前からして一目瞭然、パルミジャーノとグラナ・パダーノです。
この地域にこのイタリアを代表するチーズが生まれたのは、ポー河流域の灌漑や干拓が進み、農業や牧畜業がさかんになり、牛乳が有り余るほどとになったことと、ベネディクト会の鉄のおきて、貧しい農民のためのミルクを1滴たりとも捨ててはいけない、という教えがあったからです。そして生まれたのが、数か月から数年の熟成に耐えて長期間食べることができる硬質チーズでした。

パルミジャーノとグラナ・パダーノ。

ガチョウからパルミジャーノまで、豊かな恵みをもたらすポー河。
ポー河の水源から河口まで。

ここ数日ガチョウの動画を山のように見てたらガチョウに羽ばたき方を教えてるこのおじちゃんの気持ちが分かるようになりました。

長い渡りの旅が待ってると思うと羽ばたき方教えるのにも熱が入るね。

北アフリカに渡って越冬するガチョウはその前に地中海で休憩します。
ガチョウを守るには、休息地の保護も欠かせません。国際協定で守られています。
ガチョウはポー河の生物多様性のたまものでもありました。

次はちっょと気を取り直してブロードの話。


=====================================
[creapasso.comへ戻る]
===================================


0 件のコメント:

ベネチアのボッタルガ

アドリア海のコウイカの話をしてきましたが、ベネチアがあるベネト州は、アドリア海の他にも、デルタ・デル・ポーと呼ばれるラグーナ(潟)や、イタリア最大の湖、ガルダ湖ともつながっています。 ベネチアとラグーナ ラグーナとデルタ・デル・ポー ガルダ湖 ベネトの海につながる地方だけでもこん...