チーズじゃなくてワイン。
マルケ南部やアブルッツォのぶどう品種で、山の幸にも海の幸にも両方に合う白ワインとして最近注目度が上がっているワインです。
30年前、最初にこの品種に注目したのは、グイド・コッチ・グリフォーニというカンティーナ。
マルケのテヌータ・グイド・コッチ・グリフォーニ。
ペコリーノは歴史の古い品種だが、脚光を浴びて栽培が盛んになったのはここ20年ほどのこと。
その名はアブルッツォ名物の羊の移牧に由来する。羊は新鮮な牧草を求めて毎年山から海まで群れで移動する。その途中にこの糖分が豊富でアルべレッロ仕立てで低く栽培されているぶどうを食べていた。
だからペコリーノと呼ばれるようになったという説や、アーリと呼ばれる左右に塊ができるぶどうの房の形が子羊の顔のようだから、という可愛い説もある。
移牧はユネスコの無形文化遺産。
アブルッツォのワイン。
19世紀末には、トレッビアーノやパッセリーナといったもっと歩留まりのよい丈夫な品種に取って変わるほど栽培量が増えた。
この勢いは最近ではさらに強くなっている。
それどころか、熟成に耐える白ワインができる重要な品種とされている。作り手は、2011年のビンテージ以降はDOCGワインになるよう要請している。
ペコリーノ。
作り手たちがめざしているのは市場の様々な要求にこたえられるワイン。
熟成にはステンレスのタンクも木の樽も使う。絞り粕に浸して熟成するものもある。
ぶどうはボディーが豊かで糖分をためることができる。酸度も個性を出せるほどの強さがあり、香りもよい。アドリア海沿岸や内陸の風味が強い料理によく合う。軽いタイプでもアブルッツォやマルケの強い料理と相性がよい。特にスズキやタラなどのアドリア海の魚のフリットや煮込みに合い、これらのパスタソースやサラダ、フレッシュチーズにも合う。もっと複雑な穀物や豆、タコ、イカ、貝のズッパにも合う。
野菜、魚介、鶏、さらには和食にも合う幅の広さだ。
熟成もセメントから木まで、どんな容器でもOKで最低2年。
移牧自体も大好きだし、移牧の羊が好きだったぶどうのワインなんて、飲んでみたい。
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