2023年3月3日金曜日

海に近い場所では塩漬け、山の上ではスモーク、そして南の日当たりのよい場所では天日で干して食物を保存した。カラブリアは天日干し野菜の宝庫。

今日の料理は魚料理の2品目、“イワシのスカッティアーテ”です(リチェッタはCIR2月号P.9)。
リチェッタの最後に軽い解説のように加えられた文章にもある通り、この料理はカラブリア料理です。ロッサ―ノという町の名物料理です。
料理にはカラブリアを象徴する食材が使われています。それはペペ・ロッソpepe rosso。
直訳すれば赤いこしょうですが、これは天日で干してから挽いて粉にした甘い唐辛子で、カラブリア料理にはよく使われます。
イワシのスカッティアーテ。
スカッティアーテとは飛散する、という意味です。調理中の状態が、“飛散する”と形容したくなる状態になるようです。もう一つの特徴は、リチェッタにもありますが、動画のようにイワシが見えなくなるくらいペペ・ロッソを散らすこと。上の動画を見る時確認してみてください。

自家製の甘い唐辛子ペペロッソの粉末、ペペ・セネージ。

・針に糸をつけて完熟したピーマンに糸を通す。天日で数か月干すと表面がしわしわになる。夜は湿らないように室内に取り込む。
・ピーマンから種を全部取り除く。
・オーブン皿にオーブンシートを敷き、ピーマンをのせる。
・120℃で15分焼く。
・オーブンから出して冷ます。
・これをミキサーにかけて刃が熱くならないように短時間ずつ攪拌して粉にする。


カラブリア料理の本、サポーリ・ディ・カラブリア

を見ていると、すぐにあることに気が付きます。
それは、カラブリア料理は、干した野菜をよく使うということ。
日の光に恵まれたカラブリアでは、干すことは食物の保存に欠かせない方法だったのです。
塩漬けは、海の近くの塩が取れる地方の保存方法。スモークは、山の上の塩が取れない地方の保存方法、そして乾燥は、天日干しができる南イタリアの保存方法。
しかも唐辛子には防腐・殺菌効果があって、食物の保存効果もありました。

カラブリアでは干して種を取った状態で売られている。これを料理に使う時は、肉やトリッパの煮込みやソッフリットに加えたり、さっと油を通してチップスにする。

粉末の唐辛子ではなく、カラブリアのものは粉にしたカラブリアのピーマン。パプリカとも違うそうです。
ペペロッソとパン粉のスパゲッティPasta con polvere di peperone rosso 


・堅くなった田舎パンのクラムをフライパンで炒ってカリッとさせる。
・フライパンにEVオリーブオイルをたっぷり入れて熱し、にんにく2かけを入れて焦がさないように香りをつけるて取り除く。火を止めて油を冷ます。ペペロッソを加えた時油が熱いと焦げて味や色が変わる。
・パスタをゆでてにんにくオイルであえる。トーストしたパンを散らして皿に盛り付け、好みで唐辛子の粉を散らす。


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