ローマには名物パスタが色々ありますが、その一つがアマトリチャーナ。
下の動画は2015年のミラノ万博用に作られたアマトリーチェのPV。
アマトリチャーナは田舎から町に伝わったパスタと言われています。
考え出したのはアマトリーチェの羊飼い。
アマトリーチェはアブルッツォ州からローマに編入されたという歴史があります。
アマトリチャーナは、農村の食材を使ったボリューム満点の、肉体労働者に人気のパスタでした。
その食材は5つのPと呼ばれています。
パスタ、パンチェッタ、ポモドーロ、ペペロンチーノ、ペコリーノです。
パンチェッタは正確には豚の頬肉に特別な配合のスパイスをまぶして熟成させたグアンチャーレのこと。
最初はトマトは加えられていませんでした。
すべての道はローマに通ず、なんて言い方がありますが、すべての田舎のパスタはローマにやってきました。
そして大都会、ローマ人の好みに味に生まれ変わります。
アマトリチャーナはローマに伝わり、そこでトマトが加えられたと言われています。
こうして地方料理には、トマト入りバージョンとトマトなしバージョンという2タイプの料理ができました。
アマトリチャーナの場合は、トマトなしバージョンはアマトリチャーナ・ビアンカこと、アッラ・グリーチャです。
パスタ・アッラ・グリーチャ。
グアンチャーレとペコリーノだけで作ります。
アマトリチャーナは羊飼い料理なので、移牧に持っていくのに不便な食材は使えませんでした。
その割には、地元では、グアンチャーレの代わりにパンチェッタを使ったらアマトリチャーナじゃないなんて言ったりして、伝統にはこだわります。
グアンチャーレとパンチェッタの違いは、グアンチャーレは身が締まっていて噛み切れますが、パンチェッタは柔らかくて弾力があり、ゴム状なんだそうです。グアンチャーレは赤身で大きめに切り、しっかり炒めることが必要です。
グアンチャーレは赤身も脂身もパンチェッタより締まっているので風味が強い、というシェフもいます。
トマトはパスタによく絡むパッサータを使い、仕上げのマンテカーレでトマトの水分を飛ばして酸味を軽くします。ペコリーノは火を止めてから最後に加えます。
組み合わせるワインは、冬なら若い赤ですが、夏ならもっとカジュアルでフレッシュさのある素朴なワインが合うそうです。
スパゲッティ・アマトリチャーナ。
グアンチャーレはアマトリーチェの羊飼いの食事のベース。作るのも羊飼い。
豚の頬肉を三角形に調えて塩漬けし、熟成させる。
料理の仕上げに散らす羊のミルクから造ったペコリーノとの相性は抜群。
Amatriciana/アマトリチャーナ
Ristorante Lo Scoiatttolo, Amatrice (RIeti)
材料/
スパゲッティ・・500g
グアンチャーレ・・125g
ホールトマト(サン・マルツァーノ)・・400g
唐辛子(好みで)・・1/2本
白ワイン、ペコリーノ・ロマーノ、塩
・グアンチャーレを厚くスライスして短冊切りにし、EVオリーブオイルで炒める。ワイン少々を振りかけてアルコール分を飛ばし、トマトと小さく切った唐辛子、塩を加えて10分煮る。
生のサン・マルツァーノのパッサートの場合はさらに数分煮る。
・パスタをアルデンテにゆでてトマトソースの一部であえる。おろしたペコリーノをたっぷり振りかける。
・皿に盛り付けて残ったソースとペコリーノをかける。
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