2022年5月7日土曜日

ペースト・トラパネーゼのブジアーテは、シチリアの代表的パスタだが、器用さが要求されるブジアーテはシチリアの外にはまったく広まっていない。

今日のお題はペースト・トラパネーゼです。
ジェノベーゼは今さら言うこともないので、今日は、シチリアーノです。
トラパニの港にやってきたジェノバ人が伝えたペースト・ジェノベーゼを、シチリアの食材で作ったのがペースト・トラパネーゼの原型、と言われています。
バジリコの代わりにトマトやアーモンドが入っています。
生のトマトがベースなので季節的にはトマトが美味しい夏向きのペーストです。
シチリアに広く普及して、今ではペースト・シチリアーノとも呼ばれています。

トラーパニ↓

ペースト・トラパネーゼをかける代表的なパスタは、シチリアのブジアーテ。
ペースト・トラパネーゼのブジアーテはシチリアの代表的パスタ。
ブジアーテbusiateはフレッシュパスタで、一説には昔、パスタを巻くのに使った葦のアラビア語“bus”が語源。
アラビア語は読めないけど、なんと読むかは大体想像できる。
多分、今ならコンプライアンス的にアウトな名前。
スパゲッティではなくブジアーテと組み合わせるのは、シチリアのプライド。このペーストがジェノベーゼのアレンジ、という説は、シチリアではあまり広まっていないようです。
ブジアーテは、造るのに熟練の技が必要なパスタなので、シチリアの外ではまったく広まっていないパスタ。

セモリナ粉のパスタ、ブジアーテ↓


・セモリナ粉300gと水150mlをこねる。滑らかな生地になったらラップで包んで30分休ませる。
・厚さ1㎝に伸ばして幅1㎝にカットし、1本ずつ伸ばしてスパゲッティ状の麺にして長さ20㎝にカットする。
・串、7番の編み棒などをのせて45度傾けて潰さずに軽く手前に巻きつけ、串を手前に引いて抜く。

ペースト・トラパネーゼPesto trapanese

材料/4人分
ソース用トマト・・300g
皮むきアーモンド・・50g
バジリコ・・30g
ペコリーノ・ロマーノ・・50g
にんにく・・1かけ

・トマトは皮を湯むきし、潰して水分を出す。にんにくは潰す。ペコリーノは小さく切る。
・トマトとにんにくをミキサーにかける。またはハンディミキサーで攪拌する。均質のペーストになったらアーモンドとチーズを加える。最後にバジリコを加えて加熱しないように攪拌する。
・スパゲッティの場合は巻いて高さをつけて3Dに盛り付け、バジリコで飾る。

『サーレ・エ・ペペ』誌では縦半分に切って格子状の切込みを入れたナスにかけてオーブンで焼いていました。その名もなすのペースト・トラパネーゼ焼き/Melanzane con pesto alla trapanese。ミキサーでペーストを造る時は、ハーブやチーズが熱で酸化しないようにミキサーのガラス製の容器を冷凍庫で冷やしておくとよいそうです。

シチリア料理のお勧め本、

シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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