2022年5月27日金曜日

ピッツァ・マリナーラ・アッラ・ディアボラとカラブリアのパスタ。

普段辛いものは苦手なので、きのうの尋常でない量の唐辛子で真っ赤に染まるシラスを見ても、辛さが想像できなかったのですが、落ち着いてみてみると、あの量は異常ですよね。
カラブリアの人、どんだけ辛いのが好きなんでしょうか。
不思議なもので、直後は全然辛さがわからないんだけど、1日経ったら、猛烈に辛そうに見えてきました。


今日の料理はこのシラスの唐辛子漬けを塗って巻いたバラの形のパン、またはピッツァのバリエーションです。
下の動画ではカリニエッリcarinielliと紹介してますが、カッリチェッリとも呼びます。


材料/
00番の小麦粉・・500g
塩、水、油
生イースト・・1/4個
ドライオレガノ、粉唐辛子、にんにく

・小麦粉、塩少々、崩したイースト、油少々、水適量をこねて柔らかい生地にする。
・台に移して手で薄く広げ、塩少々とにんにくのみじん切り、オレガノを散らす。その上に粉唐辛子を散らして油をかけ、手で生地の表面全体に広げる。
・型の内側に油をまぶす。
・生地を端から幅広にカットして平らにし、巻いてロールの上下にも唐辛子と油をまぶす。型に間をあけて入れる。残りの生地も同様にする。
・2時間発酵させて型一杯に膨らませる。
・200℃のオーブンで30分焼く。

カラブリアの隣のナポリにも、辛いピッツァがあります。
ナポリも辛いものが好きなようで、ナポリサラミと言えば、唐辛子入りの辛いサラミのこと。
ピッツァの場合は、辛くすると、ピッツァ・アッラ・ディアボラと呼ばれます。

ピッツァ・アッラ・ディアボラ↓


ナポリの有名ピッツァイオーリたちのリチェッタを集めた本、ピッツァ・アルバ・ペゾーネ
には、マルゲリータの王様ことチーロ・コッチャのピッツァ・マルゲリータ・アッラ・ディアボラのリチェッタがあるので訳してみます。

ピッツァ・マルゲリータ・アッラ・ディアボラPizza Marherita all diavola

材料/4人分
ピッツァドウ・・280g
トマトのパッサータ・・80g
薄くスライスしたフィオル・ディ・ラッテ・・80g
細く切ったサラメ・ビッカンテ・・60g
赤粉唐辛子・・2~3つまみ
バジリコ・・2、3枚
EVオリーブオイル、塩

・トマトのパッサータを油と塩少々で調味する。
・オーブンを250℃に予熱する。
・軽く打ち粉をした台で生地をまず指先で、次に掌で回しながら中央から外側へ伸ばす。
・薄く油を塗った天板に生地を置き、油を細く回しかける。パッサータを回すように塗り広げ、オーブンで10分焼く。
・表面にフィオル・ディ・ラッテとサラミをのせ、オーブンでさらに5分焼いて生地に薄く焼き色をつける。サラミはかりっとさせ、フィオル・ディ・ラッテは溶かす。
・オーブンから出したピッツァに粉唐辛子を散らしてバジリコで飾る。
カラブリアに比べると辛さは気が抜けるほどマイルドな感じ。

カラブリア料理の本、サポーリ・ディ・カラブリア』には、

シラスのパスタのリチェッタがたくさん載っています。唐辛子漬けシラスのパスタもあったので、訳してみます。
ロザマリーナ、ケッパー、パンのクラムのパスタPasta con "rosamarina", capperi e mollica di pane

材料/
パスタ・・350g
ロザマリーナ・・大さじ2
塩抜きした、または酢漬けのケッパー、堅くなった田舎パンのクラム
イタリアンパセリ、EVオリーブオイル

a.フライパンに油大さじ5~6を熱し、ロザマリーナとケッパーをさっと熱する。
・パスタをゆでてaであえ、皿に盛り付けてパンとイタリアンパセリのみじん切りを散らしてサーブする。

カラブリアのオリジナルパスタはどんなものか探してみたら、スローフードのパスタ・フォルメ・デル・グラノ

という本に、
棒に巻きつけて作るフィレイヤというパスタが載っていました。



カラブリアは硬質小麦の産地。パスタも硬質小麦粉のパスタです。フィレイヤは今でも昔ながらのリチェッタでカラブリアの家庭で作られているパスタ。カラブリアを訪れる観光客が広めたと言われています。
直径0.5㎝、長さ20~30㎝の中が空洞のパスタ。編み棒のパスタとも呼ばれて、硬質小麦粉の産地に広まりました。

パスタソースの定番はカラブリア風ラグー。
肉のミックス、または豚肉、赤ワイン、各種のハーブ、トマト、バジリコ、おろしたペコリーノ入り。

次回はラグーのリチェッタを訳してみます。



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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

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