(CIR8月号)アンティパストの2品めは、パーネ・グッティアウpane guttiauです。リチェッタの日本語訳はP.2。
パーネで始まってアウで終わるものと言えば、サルデーニャの食べ物、パーネ・カラザウpane carasauぐらいしか思いつかないけど、もう一つあったんですねえ。
というか、パーネ・グッティアウも、そもそもはパーネ・カラザウのことです。
パーネ・カラザウは、別名、カルタ・ダ・ムジカcarta da musica(楽譜)とも呼ばれる紙のように薄いパン。
パーネ・カラザウにはもう一つ名前がありました。それは、パーネ・ディ・クロスタpane con la crosta(皮のパン)です。カラザウの語源はcarasare(fare la crosta/皮を作る)という意味です。
長期保存ができて、羊飼いが移牧に持って行ったパンでした。
生地をパンパンに膨らませて上下2枚に分ける、という独特の作り方をするパーネ・カラザウはサルデーニャのパン。サルデーニャではパンと言えばこれのこと。サルデーニャの食事の基本はパーネ・カラザウ、ペコリーノ・サルド、サルシッチャ。
パーネ・カラザウの材料はセモリナ粉、水、塩、イースト。
食べる時はスープなどの液体に浸したり、チーズやリコッタに添えて食べました。
パーネ・カラザウ。
大量生産もされているパン。
パーネ・カラザウはそのまま割って食べても美味しいけど、オリーブオイルや塩、ペコリーノ・サルドを散らしてもいいし、
パリパリのパーネ・カラザウを、水で戻して柔らかくし、生春巻きのように、生ハムやクリームチーズをのせて巻いたり、小さく切ったトマトなどの具やペーストなどのソースを何段にも重ねてミルフィーユ状にしたりします。
春巻きは、イタリア語で言うならインボルティー二involtiniです。
下の動画ではファゴッティー二と言ってますね。どちらも包む、という意味。
パーネ・カラザウのゆで卵とほうれん草のファゴファゴッティー二fagottini di pane carasau
・まずは下ごしらえ。
パーネ・カラザウ150g(5~6枚)を天板にのせてぬるま湯か湯をかけてさっと浸して取り出し、5分休ませます。
・蒸して絞って粗く刻んだほうれん草500g、塩、こしょう、ナツメグ、おろしたパルミジャーノ30g、リコッタ20gを混ぜる。
・パーネ・カラザウにほうれん草のクリームを塗ってゆで卵を1個置き、パーネ・カラザウで包む。
・オーブンシートを敷いた天板にのせて1個ずつ油をかけ、180℃のオーブンで焼き色がつくまで(15分)焼く。
あ、そうだ、今日のお題はパーネ・グッティアウでした。
誰もが一度は思う疑問、パーネ・カラザウとグッティアウはどう違うのか。
パーネ・カラザウとパーネ・グッティアウの違いを説明する動画↓
そもそもイタリアの料理番組でこんな繊細な問題を取り上げたら、カオスになるのは火を見るより明らか。
次回に続きます。
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