唐辛子の話題に突入です。(記事とリチェッタの翻訳はCIRP.20~)
コロンブスによって南米から伝わった食材と言えば、トマト、じゃがいも、とうもろこし、カカオ、唐辛子など多岐にわたります。
そもそもコロンブスは、スパイスを求めて旧大陸へ旅立ったような気がするのですが、彼が見つけたものは、スパイスと言えるのかちょっと疑問。
それでも、スペインの宮廷に届けられた翌年には、植物学者が栽培を始め、70年後にはスペイン中に広まったのでした。
ヨーロッパに伝わった新種の野菜たちは、トマトもじゃがいもも、毒があると敬遠されたり、食用より観賞用として育てられたりと、なかなかすんなりとはヨーロッパに受け入れられませんでした。
唐辛子は、そもそも新種のスパイスを手に入れて大儲けをしよう、と望んでいたヨーロッパの宮廷に、のぞんでいたほどの儲けはもたらさなかったようです。それどころか、“貧乏人のこしょう”と呼ばれていたのです。
こんなあだ名がつくということは、貴族に取っては唐辛子はステイタスシンボルではなかったわけで、さらに、この辛さは、教会からも嫌われました。
欲望を喚起するから追放!となったのです。
でも逆に、安くて食品を保存するのに便利な唐辛子は、貴族や教会からは嫌われても、庶民の間で大人気になりました。
そしてヨーロッパ中に広まっていきます。イタリアで一番人気が出たのは、カラブリアでした。今や、カラブリアの食文化のシンボルにまでなりました。
現在世界中で2千種類以上の唐辛子が栽培されているそうです。
そしてそのほぼすべての品種がカラブリアにはあります。
カラブリアで栽培されている唐辛子。
どれも意外と可愛い。
ディアマンテの唐辛子祭り
下の動画で、まず最初に言ってるのが、自分で栽培した唐辛子を使っているということ。
その品種は世界一辛いキャロライナ・リーパーでそうです。
だけど、辛すぎてアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノには向かない、とも言っています。
そこで登場するのがカラブリア産のディアボリッキオです。
実際に使うのは、やっぱりこの品種。カラブリアの人にとってはこの唐辛子こそが世界一。さらに作り方もカラブリアの流儀で作るのだそうです。
・パスタ用の湯に塩を加えるのは甘くするため。
・イタリアンパセリをみじん切りにする。
・にんにくを潰してクリーム状にする。
・フライパンにたっぷりの油を熱し、にんにくを入れる。にんにくはこんがり焼き色がつく程度に熱し、焦がさないようにする。
・種ごと刻んだ生唐辛子1~2本を加える。
・ソッフリットにゆであがったパスタを加え、唐辛子とイタリアンパセリのみじん切り少々を加えてマンテカーレする。
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノのポイントは、地元の自家製唐辛子を使うことと言い切ってました。さすがはカラブリア人。
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