2022年5月28日土曜日

1492年は世界史的にはコロンブスがアメリカ大陸に到着した年ですが、料理史的には、唐辛子の歴史が始まった年なのでした。

さて、農作物が美味しくて、特に玉ねぎとじゃがいもが名物で、羊飼いの伝統があって、唐辛子が大好きだったら、あなたはどんなパスタを作りますか。

硬質小麦粉の編み棒に巻きつけて作る太い手打ちのパスタが主流のカラブリアで、パスタにかけるソースの定番は、ラグー・カラブレーゼです。
資源にあまり恵まれないので質素な料理が主流のカラブリアにあっては、休日のご馳走的なラグーです。羊肉のソースも一般的。

ちなみにイタリア料理アカデミーの本、スーゴとソース

のカラブリアの章には、“ペースト・アッラ・カラブレーゼ”や“唐辛子のクレーマ”など、辛そうなソースがあれこれ載っています。

羊飼いの伝統があるので、パスタにはヤギや子羊肉のラグーをかけたりもします。


それでは上の動画のリチェッタを訳してみます。
ラグー・カラブレーゼRagù alla calabrese。
材料/
子牛リブロース・・600g
ロース肉・・200g
豚バラ肉・・200g
ローズマリー、イタリアンパセリ、玉ねぎ
唐辛子、塩、こしょう
EVオリーブオイル
トマトソース・・1ℓ
ロゼワイン・・1カップ

・肉を小さく切る。
a.玉ねぎ、イタリアンパセリ、唐辛子をみじん切りにする。ローズマリー1束を加える。
・aを油でソッフリットにし、肉を加えて表面全体を焼く。
・ワインをかけてアルコール分を飛ばし、30分煮る。
・トマトのパッサータを加え、弱火で2時間煮る。

さて、カラブリアと言えば、唐辛子、と言っておきながら、ラグー・カラブレーゼには唐辛子が気が付かないほど入っていない。あの地獄のように赤いロザマリーナを作ったカラブリア魂は、どこいったのか。

今日は、ここから話題が変わります。新しいお題は唐辛子です。

今月の(CIR)では、唐辛子の記事を訳しました(P.20~)。
この記事、
「すべてが始まったのは1493年だった」という一文で始まります。
この頃、何が始まったのかなあ。まあ、わからなくて普通でしょうが、1年前の1492年は、リドリー・スコット監督が『1492』という映画にするほど重要な年。
世界史時には、アメリカにコロンブスが到達した翌年です。

『1492』のトレイラー


1493年はコロンブスの2回目のアメリカ遠征の年で、その翌年の1494年に、カスティーリャのイザベラ女王の宮廷に、コロンブスは唐辛子を届けたのでした。

コロンブスの帰還。






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