2024年6月20日木曜日

パスタと野菜の組み合わせの代表は、イタリアの国民的料理、パスタ・エ・ファジョーリ。

(CIR3月号)のリチェッタから、今日はプリーモ・ピアット。
“じゃがいもとプローヴォラのパスタpasta, patate e provola”です。
日本語のリチェッタはP.5。

パスタ・エ・パターテは伝統的なナポリ料理。

ナポリ人に料理のことを語らせたら面倒なことになる、というのはみんな知っていること。特にトマトやピッツァのことを語らせると、へたすると喧嘩になります。このパスタ・エ・パターテは、トマトやピッツァに匹敵するナポリ人が愛してやまない料理。ナポリ料理の大家、ルチアーノ・ピニャタロはその著書『リチェッテ・ディ・ナポリ

では、パスタの種類やパスタを作る時に使うダイスの素材についてまで、ナポリ市民全員に持論があって、流派は人の数だけありそう、と語っています。
この料理は、典型的な野菜とパスタの組み合わせで、イタリアの農民料理の頂点、パスタ・エ・ファジョーリの一種です。パスタ・エ・ファジョーリはイタリアの国民的料理とか、ミネストラの女王と呼ばれています。イタリア各地にある料理ですが、その本場は、いんげん豆の産地として知られるヴェネト。

ベネト風パスタ・エ・ファジョーリ

ナポリ風パスタ・エ・ファジョーリ

ナポリのトラットリアでパスタじゃなくパスタ・エ・パターテを注文する人はかなり通だと思いますが(リストランテではあまりお目にかかからない)、私はこの料理が国民的料理だとかナポリの名物料理ということも何も知らなくて、たまたまメニューにあったローマのレストランで注文するという、お上りさん丸出しの暴挙に出ました。でも、いざ食べてみると、こんなにおいしいミネストラがあるんだと軽くショックで、すぐにお気に入りのイタリア料理のリスト入りです。ナポリのパスタ・エ・パターテには様々な形のパスタの切れ端が入ります。豆は白いんげん。
パスタと野菜の組み合わせの代表は、パスタと豆。パスタ・エ・ファジョーリ、パスタといんげん豆の他にひよこ豆、レンズ豆、グリーンピース、ソラマメなどがよく使われる豆。野菜なら、カリフラワー、ズッキーニ、カボチャなど様々あります。

パスタは、生麺、乾麺、どちらの場合もあります。ショートパスタだけでなく、ロングパスタを折って入れたりもします。代表的なのはディタリーニ、スパゲッティ、幅が広めのタリアテッレ、マルタリアーティ、ラザニェッテなど。生麺の場合は北イタリアでは卵入り麺。パスタの代わりに米や大麦を組み合わせることもできます。

唐辛子入りのカラブリア風、シーフード入りのマリナーラなど、地方の名物を加えたアレンジも各種。

アジェローラのプローボラ・アフミカータはナポリの名物。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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