今日の料理は“フリッタータ・ディ・スカンマロfrittata di scammaro”です。
ナポリ料理です。
フリッタータと言えば、卵料理だと思いますよね。
ズッキーニのフリッタータ
ナポリのスパゲッティのフリッタータ
スパゲッティのフリッタータはナポリの名物料理。
なのにこの料理には、卵は一切入ってないのです。
“スカンマロ”という言葉は、「詐欺」という意味。ちょっと物騒な名前。
スパゲッティのフリッタータは、そもそも残り物のパスタを有効利用する家庭料理ですが、スカンマロのフリッタータは、復活祭や修道士に関係がある料理。
スカンマロのフリッタータ
上の動画の人は、使われている食材は両シチリア王国の産物で、同じくブルボン家に支配された相棒、シチリアの美味しいものを組み込んだナポリ+シチリアの料理だそうです。
さてこの料理は、復活祭の四旬節の間の料理ですが、四旬節と言えば、動物性脂肪、つまり肉食を断つ断食の期間。修道院には、この時期に断食をする厳格な宗派と、もっとゆるい宗派がありました。厳格な断食をする人は、個室に籠ってゆるい人たちとは別に食事をしました。その個室のことは、独房、またはスカンマロと呼ばれていたそうです。
ナポリ料理の人気の本、『リチェッテ・ディ・ナポリ』にはフリッタータのリチェッタがたくさん載っています。フリッタータはナポリの人が大好きな料理だったようです。とせに、マッケローニのフリッタータについては、こんなことが書いてあります。
「フリッタータ・ディ・マッケローニはナポリで生まれたパスタの残り物を使うシンプルな料理だが、簡単に作れるプランゾやチェーナの1品にもなる。ナポリで、プランゾの時間帯にビーチを散歩して見ると、フリッタータ・ディ・マッケローニをアルミ箔で丁寧に包んで食べている人たちをよく見かける」
ナポリのビーチ(砂浜がない)
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