ホロホロ鳥の一番有名なイタリア料理は、粘土焼き“faraona alla creta”だそうです。
この調理方法の考案者はランゴバルド族、と考えられています。つまりゲルマン系です。ロンバルディアの語源になった民族としても知られています。イタリアに豚肉の食べ方を伝えた民族でもあります。
イタリア料理の百科事典、『グランデ・エンチクロペディア』によると、
ホロホロ鳥、または雉などを粘土で包んでオーブンの熱した石の上にのせて焼き、粘土を割って取り出して食べる、というとても古くて初歩的で独創的な調理方法。塩釜の一種。アフリカ東部では野生のホロホロ鳥に現在も行われている調理方法の料理。
アフリカのエチオピアを中心とする東アフリカにはかつてイタリアの植民地がありました。
ホロホロ鳥の粘土焼き。昔のポー河周辺のドキュメンタリー番組に残されていた料理。
『グランデ・エンチクロペディア』のリチェッタを訳してみます。
エミリア地方バージョンです。
材料/4人分
ホロホロ鳥・・1羽、1.2㎏
ラルド・・150g玉ねぎ・・1個
セロリ・・2本
にんじん・・1本
セージ、ローズマリー、イタリアンパセリ
にんにく・・1かけ、フレッシュのタイム
シナモン、クローブ、ナツメグ、塩、こしょう
a.香味野菜とハーブを刻んでスパイスを加えてすり潰し、クリーム状にする。
・ホロホロ鳥の表面と内側にも少量aを塗り、油紙、またたは粘土で包む。
・120℃のオーブンで3時間焼き、卓上で粘土を割る。
・ホロホロ鳥を4つに切り分け、じゃがいものピューレを添えてサーブする。
トスカーナ料理のホロホロ鳥のカルトッチョは、ゲルマン要素がちょっと薄め。
今月のCIRのホロホロ鳥のイン・テーチャのリチェッタは、P.12。
ホロホロ鳥のイン・テーチャはベネト料理ですが、逆にゲルマン要素満載なのはウンブリアの伝統料理、ホロホロ鳥の丸鶏の串焼き。
Faraona alla Leccardaと言ってますが、ということは、つまりは北京ダック風。
アヒルもホロホロ鳥も、家禽という点では同じ・・・。鶏の脂を皮に塗りながら焼きます。
ゲルマン系なホロホロ鳥料理を探して、中華的なホロホロ鳥料理に たどり着いてしまいました。
それにしても丸鶏の串刺しローストは、絵になりますねー。
つまり、それほど応用範囲が広い鳥なんですね。ホロホロ鳥は。
でもやっぱりイタリア料理として一番しっくりするのはCIRのリチェッタはホロホロ鳥のイン・テーチャ。ポレンタ添え。この付け合わせのポレンタが、効いてます。
ホロホロ鳥のポレンタ添え。
北京ダックは溶け出た焼き汁を鳥の皮にかけて焼くけど、ポレンタは焼き汁をしみ込ませると、超美味しそう。
(CIR)のチェッタも、まずポレンタを作ることから始める。
ポレンタはどんな食材にも合うし、サーブ方法も、出来立ての熱々から冷まして別の日にオーブン焼きにしたり、フリットなどと色々ある。
ベネトはアメリカ大陸からイタリアに伝わったトウモロコシが最初に広まった地方。
次回はとうもろこしの話です。
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